もしやもしや…?
人類は地球外知的生命体の存在を発見すべく、これまで数々の宇宙探査プロジェクトを立ち上げてきました。このほど欧州宇宙機関(ESA)は、ウェッブ宇宙望遠鏡の観測を通じ、木星の衛星エウロパから、新たに二酸化炭素の存在を示す証拠データを入手したとの発表を行ないましたよ。
液体の水と二酸化炭素の両方が存在
実は地球外の惑星に二酸化炭素が存在することは、それほど珍しい発見ではありません。そもそも火星には豊富な二酸化炭素の存在が確認されました。しかしながら、いまだ液体の水の存在は突き止められていません。
一方、木星の周囲を回る衛星エウロパには、地表面を覆う氷の下に液体の水が存在すると考えられています。新たにウェッブ宇宙望遠鏡の「NIRSpec」という赤外線解析探査装置のデータ分析が進められた結果、エウロパの「Tara Regio」というエリアに、二酸化炭素の存在を発見。Tara Regioには大量の水蒸気が吹き上げられているようで、地表下の海から二酸化炭素が出てきた可能性も高いのだとか。
エウロパの地表面で観測データから発見された炭素は、(その下の)海から来たものだと考えている。これは取るに足りない発見などではない。炭素は生命の存在に欠かせないものだからだ。
今回の分析調査チームを率いた、コーネル大学のSamantha Trumbo氏は、こんなふうに語っています。もし本当にエウロパに液体の海水が存在し、そこに炭素が含まれているとしたら、生命を発見することにつながっていく可能性は大いに高まりますよね!
さらなる探査は2030年代に
ESAでは、今後も木星探査が計画されています。今年4月には、探査機の「JUICE」が打ち上げられ、2031年に木星付近へ到着予定。衛星のエウロパだけでなく、ガニメデやカリストなどの観測が進むそうです。さらには、来年10月にも、NASAが「Europa Clipper」を打ち上げ、2030年にエウロパに到着して探査を進める計画が立てられていますよ。
至近距離から水と二酸化炭素が存在するエウロパを観測できるのは、まだ先の話。とはいえ、こうした発見は、未来の探査から明らかになることへの期待度をアップさせてくれます。意外なる出逢いが待っていたりするのでしょうか~。
Source: ESA