世界初、元パラリンピックの陸上選手身障者が宇宙飛行士に選ばれる

  • author Passant Rabie - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
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世界初、元パラリンピックの陸上選手身障者が宇宙飛行士に選ばれる

宇宙にも多様性を。


欧州宇宙機関(ESA)新しい宇宙飛行士に身障者を採用。訓練を経て、宇宙へ行くことが決まれば正式に、世界初の身障者宇宙飛行士の誕生となります。採用されたのはイギリス出身の元パラリンピック選手ジョン・マクフォールさん、41歳。ESAは13年ぶりの新規宇宙飛行士の採用をおこない、17名が採用されました。そのうち5名は宇宙飛行経験者、11名は予備宇宙飛行士としての経験者、そして1名が身障者です。新規採用の17名は、2023年春からESAで12カ月の訓練に入ります。


ESAのディレクター ジョセフ・アッシュバッハー氏は「今回選ばれたESAの宇宙飛行士たちは、野望、能力、多様性をいろいろな形で叶えるチームです。地球低軌道、月、そして月よりもっと先の探求を続けていきます」と話しています。


マクフォールさんは19歳の時にバイクの事故に遭い、右脚を失いました。その後、プロの陸上選手となり、2008年の北京パラリンピックではイギリス代表として陸上男子100メートルで銅メダルを獲得しています。現在は医者となり、3人の子どものお父さん。マクフォールさんが今回のプロジェクトに参加することで、この先宇宙船に身障者が搭乗する場合、どのような設備にすべきかなどが検討され、訓練次第では実際にマクフォールさんが宇宙に行く可能性があるとのことです。


今回の新規採用は2021年に突如発表され、身体的がいがある人の応募も奨励されていました。これまで宇宙飛行士の募集に対して身がい者は応募することができませんでしたが、宇宙飛行士にも多様性が求められるようになり、これからは宇宙船・宇宙服もどんな人に合うように設計する必要があるとのことで、今回身障者の採用が決まったと言うわけです。


ちなみに去年、世界初の人工骨を持つ人の宇宙飛行が実現しています。スペースXのインスピレーション4に搭乗したヘイリー・アルセノーさんは、子どもの頃に受けたがんの治療で左足に金属の人工骨が入っている、がんサバイバーでした。


宇宙飛行士に採用されても、必ずしも宇宙へ行けるわけではないのが宇宙飛行士。予備宇宙飛行士経験者は今回採用されただけでもすでに11人いますし、この17人の中で宇宙に行けるのは数人になるかもしれません。ただ身障者の採用があり、実際に訓練に入り、知識や見地を宇宙船や宇宙服に生かす最初の一歩としては素晴らしいですよね。