宇宙戦争が現実に…?
自動車業界でも宇宙産業でも一躍有名人となり、その富にものをいわせて巨額買収を進めつつ、なにかと話題のイーロン・マスク氏。ウクライナにおいても、Starlinkをネット接続用に無償提供して、かなりの影響力を有していますけど、それをロシアは快く思っていないようです。名指しこそ避けてはいるものの、衛星を打ち落とす勢いで脅しをかけてきたみたいですよ!
商業衛星さえ打ち落とす?
Reutersは、先月に国連で語ったとされる、ロシア外務省のKonstantin Vorontsov氏の発言を紹介。ウクライナ情勢をめぐって、民間の宇宙インフラが、商業衛星も含め、西側諸国によって軍事利用されていることを非難しました。さらに、報復攻撃の対象として、そのような準民間インフラがターゲットになると警告したんだとか。
Vorontsov氏は、具体的にどの宇宙インフラが警告対象となるのかは明言しませんでした。Planet LabsやMaxarなども、地球観測衛星を打ち上げてきましたが、とはいえ、やはりStarlinkのコンステレーション(衛星編隊)が、主なターゲットに定められていると考えられるでしょう。ロシアのみならず、中国も苦々しく感じているようですから。
今回のVorontsov氏の発言を受けて、米国家安全保障会議(National Security Council)のJohn Kirby氏は
「米国のインフラへのいかなる攻撃も見過ごされることはなく、われわれのインフラに対する脅威には適切な方法で対応することをはっきりと述べておく」
とただちに返答したと報じられています。これまた米国のインフラがなにを指すのか、はたしてStarlink衛星が打ち落とされた場合、どのような報復措置が取られるのかなども含め、こちらも玉虫色の回答になっています。地球低軌道を周回する衛星をめぐって、なんだか危ない雰囲気が漂っていますね。ただ、いまや3184基にもなったとされるStarlinkコンステレーションが、並ならぬ存在感を示していることだけは確かです。
Source: Reuters