写真が映し出す、ハチの物語
ナショナル・ヒストリー・ミュージアム(自然史博物館)は、2022年のワイルドライフ・フォトグラファー・オブザイヤーを発表しました。 93カ国、38,575件の応募の中から、今年のグランプリにアメリカのカリーヌ・アイグナ氏が選ばれました。
コンテスト58年の歴史で、女性が受賞したのは今回で5人目です。
タイトルは"The big buzz."
このシーンは、1匹のメス蜂と交尾しようと集まるたくさんのオス蜂を捉えた写真です。写真に写っているのはすべてオス。
この写真で捉えられたミツバチの種は、ディアダシア属と呼ばれる種。彼らは地面に個別で巣を作り基本的には1匹で生きていきます。この種はメスよりも圧倒的にオスが多いため、メスを見つけ交尾する競争はとても激しいのです。さらに近年気候変動や、農薬の過剰使用によって住処が狭まっていることで厳しい状況に追いやられている種の1つです。
審査委員議長のロズ・キッドマン・コックスは写真について、
クローズアップすることで、気候変動、農薬によって生息地や種の存続を脅かされているハチたちの状況を非常によく捉えている
とプレスリリースでコメントしています。
身の回りの自然に目を向けてみると、昨日とは違ったメッセージが聞こえてくるかも。そうすれば、世界も変わって見えてくるはずです。
コンテストはグランプリ以外にも、自然界の脅威と多様性を表現する19のカテゴリーがあります。ナショナル・ヒストリー・ミュージアムのサイトでは、過去の受賞作品も公開中です。