雲のようなやさしさ。
よくランナーさんやトライアスリートさんが履いているのを見かけることが多い、スイスのパフォーマンスブランド「On(オン)」のシューズ。輪切りにした庭の水撒きホースから着想を得たという、独特な形状のソールがトレードマークです。
以前から気になっていたので、最新作「Cloudgo(クラウドゴー)」が発売されたのを機に試してみました。
ランニング歴2年ちょいの筆者が2週間ほど履いてトレーニングしてみた感想は、「とにかく楽しい」! ソールのふわふわ感が着地時の衝撃をやわらげてくれるので、いつもよりちょっと長めのランニングに最適でした。
Cloudgo(クラウドゴー)
これは何?:オン(On)のランニングシューズ
価格:16,830円(税込)
好きなところ:トランポリンのように弾むソール。足を前へ押し出してくれるローリングモーション。ふっかふかな履きごこち。
好きじゃないところ:重量は約220g。20km以上走る場合は、後半に重さを感じるかも。
弾むように走る楽しさ

「楽しい!」という感覚は、アジア初フラッグシップストア「On Tokyo(オン トーキョー)」で初めてCloudgoに足を入れた瞬間からすでに始まっていました。
試しに店内をちょっと駆けてみただけで、弾むような感触が脚全体に伝わってきました。蹴り出しの時にポンッ!と勢いがつくと同時に、着地時がソフト。まるでトランポリンみたいです。

アッパーの素材にはやや厚みがあり、クッション性に富んでいます。インナーソールもやわらかくて、ふんわりとやさしく足を包み込んでくれるかんじ。履き口が広く、着脱しやすくなっています。
これだけコンフォート重視の設計になっているので、一定の速度で走るペース走や、長距離をゆっくり走るロングスローディスタンス(LSD)走にピッタリなのではと思い、いざ試してみました。
足がコロンと前へ転がる

実際、練習シューズに最適でした。
前述したとおりのポンポンと跳ねる感覚はもちろんのこと、自然なローリングモーションが足を前へ、前へと促してくれます。体重移動をスムーズに行なえるメリットがあり、より楽に走れます。
写真を見ると、つま先部分がやや上向きなのがわかりますね。この構造のおかげで、シューズ全体がロッキングチェアのように前後に揺れるんです。筆者はかかとで着地するタイプなんですが、Cloudgoを履いて走っていると、まずかかと部分のソールが地面から足に伝わる衝撃を吸収し、足への負担を和らげてくれました。そこからローリングモーションが始まり、つま先で地面を蹴り出すまでの体重移動をスムーズに行なえました。
このため、より少ないエネルギーで前へ進んでいくことができると感じました。
走ることって、苦しくなくていいんだ

基本的に、ランニングは同じ動作の繰り返し。だからこそ一歩一歩より楽に、少ないエネルギーで進んでいくことができたら、結果的に長い時間走り続けられますし、より遠くまで行けます。
継続してランニングしていて、より長く走ってみたいと思っている方に、Cloudgoはピッタリだと思います。楽に走れる=楽しく走れることでもあるので、周りの景色を楽しむ余裕が生まれて、ランニングのリフレッシュ効果がより一層身近に感じられるようになると思います。
かくいう筆者も、怪我でしばらく走れなかった期間を経て、以前よりも持久力が落ちているタイミングでCloudgoをトレーニングに活用しました。しんどかった10km超のランニングも、次第に13km…15km…とランニングの回を重ねるごとに距離が伸びていきました。
あと、調子に乗ってついペースも心拍数も上げすぎてしまう傾向にあったのですが、Cloudgoだと一定のリズムを刻みやすいとも感じました。

足にふわっと優しく、ランニングの楽しさをあらためて感じさせてくれるCloudgo。
楽しく走っていいんだよ、べつに苦しくなくたっていいんだよって教えてくれた気がします。
Reference: On Running
Photos: 山田ちとら