え、意味なかったの!?
例えば英会話のYouTubeチャンネルを視聴すると、おすすめとして別の英会話チャンネルが出てきて「へー、こんなのもあるんだ」と新しい出会いがあったりしますよね。最近筆者はついにBTSに出会ってしまい、動画をいくつか見ていると続々とBTS関連の動画が出てくるので、自分から掘りに行かなくても「BTSに興味ありますよね。はい、どんどんどうぞ」と出してきてくれます。アルゴリズム、ありがたいですよね。
でも、逆に試聴して嫌な気分になった、タイトルと中身が全然違った、こういう動画もう見たくないからあげてきてほしくないなと思う場合。そういったときに「低評価ボタン」を押せば出てこなくなるのかなと思っていましたが、どうやらそうではないみたい。Mozilla Foundationが調査をしたところ、低評価ボタンと興味なしフィードバックは、実はおすすめ動画のアルゴリズムにあまり影響がないことが判明したそうです。
「よくないね」しても変わり映えなし
調査は、2,757人の調査参加者と2万2722人のMozillaにアクセスを許可した人たちを合わせて行われ、2021年の年末から2022年6月までの567億のおすすめ動画の表示を分析。参加者すべてがYouTubeにおける多種多様なユーザー全員をカバーしているわけではないのですが、アンケートの結果低評価ボタンなどで「よくないね」とフィードバックしても、おすすめ動画は変わり映えがなかったと報告した人が全体の3分の1だったそうです。Mozillaによると、あるユーザーは動画をスパムだと報告してもしばらくするとおすすめに表示されたと報告していて、ほかにもあるチャンネルをブロックしても、結局似たようなカテゴリーのチャンネルがおすすめとしてあがってきたとの報告もあったとのことです。
また、2021年にMozillaによって行われた別のユーザデータ調査でも、暴力的な内容、ヘイトスピーチ、政治的に間違った情報などのコンテンツがあがってくることがあったとの報告がされています。 今回の調査でも、たとえあるチャンネルをブロックしてもうそのチャンネルは出てこなくなったとしても、アルゴリズムが似たようなチャンネルは変わらずにおすすめにあげてくることがわかっています。低評価ボタンは実際のところ12%しか有効ではないという分析結果なんだそうです。興味なしフィードバックや視聴履歴の削除はもう少し効果があるようで、興味なしが43%、視聴履歴削除が29%有効だったと伝えています。Mozillaは調査結果の最後に「データ解析の結果、YouTubeのユーザーによるおすすめ動画の表示に対するコントロールは不十分であると決定した」と結構強めに主張しています。
改善されればもっと見ると思うんだけど
YouTubeの担当者に米ギズモードが問い合わせしたところ「視聴者にネガティブな影響を与えるであろうすべてのトピックをフィルターにかけることはできません」との回答が戻ってきました。また現在YouTubeは、おすすめ動画に関連するトピックすべてを表示しないようにコントロールしていないけれど、違反にギリギリ抵触しないグレーの動画などはできるかぎり抑え、しっかりとしたコンテンツの動画をもっと表示するようにはしている、のだそうです。見たくなければクリックしなきゃいいでしょっていう話かもしれないですが、
せっかくなら自分の興味のある動画が並んでくれると、もっと見たくなりますし、もっと使いたくなりますよね、それがサービスというものなような気がしますが、多くのYouTube視聴者はお金を払っているわけじゃないので、しょうがないことなんでしょうかね…。