二人で乗る自転車の時間は人生の宝物ですって。
世の中には荷運びをするための、電動3輪カーゴバイクがいくつも作られています。ですがニュージランドにお住まいの79歳ケヴィン・ハーヴェイさんは、認知症の妻で89歳のビヴァリーさんを外に連れ出すため、古いeバイクのフロントフォークに車椅子を溶接してe5輪車をDIYしました。
車椅子を押しての上り坂が大変だった
夫婦とはいえ老々介護になるわけで、ケヴィンさんとしても車椅子で坂道を登るのがたいへん。かといって妻をひとり家に残して買い物に出るのも心配です。なので、二人で一緒にお出かけすれば問題解決。外の刺激も受けることができて一石二鳥ですよね。
安全性重視の改造
車椅子には、シートベルトがあるので安全です。車椅子の後輪は小径のオフロードタイヤで、ディスクブレーキを搭載しています。それに前輪もあるため、全部で5輪車になって安定性もカンペキ。当然ハンドルは左右に切れるので、右左折も普通にできるようになっています。
改造のポイントは、ステムとハンドルが後ろ向きになっていること。なぜなら通常のように前方に出っ張っていると、奥さんの背中に当ってしまうから。優しさゆえの逆転の発想ですね。またeバイクは本来最高時速45kmだったのを、奥さんが速いのを嫌がるから20kmに制限したのだそうです。
後ろから見守る夫
こうして夫婦は日々、坂を登って近くの海を見に行くのだそうです。ここまで有意義なeバイクの使い方は、他にないんじゃないでしょうか? ちなみに、昔は恥ずかしがり屋だったビヴァリーさんですが、認知症のおかげで移動中に出会った人たちに挨拶をするようになったのだそうです。後ろでその様子を見ている、ケヴィンさんの笑顔が目に浮かぶようですね。
Source: facebook, RNZ via designboom