突き詰めていくと同じような見た目になるものなのか…。
コロナ禍以降に増えたリモートワークによって、その重要性が再認識されたのがビジネス向けSNSの存在です。上司や同僚と顔を合わせる機会がめっきり減ったなかでもコミュニケーションをキープできるのは、Teams、Zoom、Slackといったアプリケーションのおかげでしょう。
今から10年前、Microsoft(マイクロソフト)は企業向けSNSのYammerを12億ドル(当時のレートで約950億円)で買収しました。その後は紆余曲折がありましたが、現在はビジネスチャットツールのTeamsと統合されていて、TeamsにYammerタブを追加して使用することができるようになっています。Microsoftとしての位置付けは、Yammerは全社規模の大きなプロジェクト向けのアナウンス、Teamsは1対1や数人レベルのもっと小さなプロジェクトのためのコミュニケーションツールといった感じでしょうか。
そのMicrosoftが、さらに職場でのソーシャルネットワーキングを促進するTeams内の新しいアプリ「Viva Engage」を発表しました。
ストーリーラインってFacebookぽくない?
Viva EngageはYammerの進化形のようなイメージで、職場におけるニュースや戦略の共有、意見交換などのコミュニケーションを促進する目的で開発されています。ポイントとなるのは「ストーリーライン」という新機能で、ユーザーが会話形式の投稿、ビデオ、画像などを掲載できるようになっています。ストーリーラインには投稿とストーリーのふたつの共有方法があって、写真やビデオを投稿をすると、Microsoft Viva Connections、Outlook、Teams、Yammerのフォロワーや同僚にエンゲージすることができます。逆にフォローしている人や推奨される同僚からのストーリーライン投稿のフィードを、新しいストーリーラインタブで見つけることができます。

…でも、これってなんだかFacebookみたいですよね。あるいはInstagramぽかったりも。個人的な関心事を共有して、ビジネスの現場でもさらなるコミュニケーションを促すって発想はアリだと思うんですが、画像を見ると実際のインターフェースもFacebookそっくりだったり。
つまるところ、このアプリはおそらくWorkplace from Metaあたりを意識して開発されたものだと想像できます。MicrosoftがMetaの企業向け分野への進出に警戒感を強めているのは間違いないですし、両社はメタバース分野での競争でもますます激突しています。今後はその競争がより熾烈なものになるのは不可避でしょう。最終的にどちらかが覇権を握るのか? 両社の動きには注目しておきたいところです。
Viva Engageを利用するにはYammerのライセンスが必要となりますが、Microsoft 365ユーザーであれば追加料金なしで利用可能。8月下旬には、Yammerと連携するためのTeams用CommunitiesアプリはViva Engageに名称変更され、ストーリーラインのパブリックプレビューが開始される予定です。