「過去」は水に流して、ね。
Uber(ウーバー)とWaymo(ウェイモ)が、自動運転長距離トラックにおいて連携して事業を進めていくことが明らかになりました。Waymoの自動運転技術と、Uberの運送会社と荷物をマッチングするUber Freightをミックスし、発展させるのが狙い。高速道路にズラっとならぶ無人の貨物トラックというのは、まだまだSF感ありますが、この連携はその第一歩となりそうです。
自動運転技術とマッチングサービスの融合
Alphabet(アルファベット)傘下であるWaymoは、自動運転トラック(無人トラックではなく、人間同乗監視あり)をカリフォルニア州、アリゾナ州、テキサス州、ニューミキシコ州で現在テスト中。一方、Uber Freightはマッチングサービスではあるものの、基本は従来の貨物輸送事業。両者がそれぞれ得意とする力を合わせて、未来の長距離輸送網を作り出そうとしています。
WaymoとUberのパートナー化は段階的に進行予定。まずは自動運転技術が搭載されたWaymoのトラックを、Uber Freightのネットワークに追加するところからスタートします。その後、他社にもWaymo技術を搭載したトラックでのネットワーク参入を促していくといいます。
Waymoはプレスリリースにて「Waymo DriverのパワーとUber Freightの市場スケールが一緒になることで、安全かつ大規模なWaymo Driverを全米の道路に走らせることができると思います」とコメント。Uberは「両社ともに長距離トラックの自動化を見据えており、貨物需要の高まりを助けるとともに、ドライバーの皆さんには短距離トラックを中心としてもらうことで、仕事による生活の質を上げてもらうことができます」とコメントしています。
昨日の敵は今日の味方?
…お互い、過去については触れていませんね。WaymoとUberといえば裁判に発展した揉め事がありました。Waymoは、2017年に機密情報を盗んだとしてUberを訴えて勝訴し、2億4500万ドル(約329億円)分のUber株式を保有しました。事の発端は、Uberによる自動運転スタートアップOtto(オットー)の買収。Otto創業者であるアンソニー・レヴァンドフスキ氏はWaymo創業者であり、Waymo(Alphabet)を離れた際に企業秘密となる情報を多く持ち出していました。これが原因でレヴァンドフスキ氏は起訴され、禁固18カ月の判決を受けました(後にトランプ元大統領から恩赦あり)。
とまぁ、いろいろあっての今回のパートナープロジェクトです。