広域フォトグラメトリに興味があるかたもぜひ。
様々な3Dの仮想空間のなかに入り込めるVRChat。そのなかに日本列島をまるごと閉じ込めたワールドがありました。3D/VRクリエイターのVoxelKeiさん(@VoxelKei)が手掛けている「JAPANELAND」です。
もともと2017年に、Oculus用アプリとしてリリースされた「日本列島VR」アプリのデータをVRChatにもってきたもので、スケールは2万分の1。どんなアバターであっても超々々々巨大怪獣の視点で日本を見渡せます。

とはいっても高さに関しては地理がわかりやすいように、2倍にしているんですって。だから富士山がとんがっています。この世界におけるランドマークとして把握しやすくなっています。
デジタルツイン観光地のハブでもある
JAPANELANDの上空、人間アバターから見ると腰くらいの位置にあるピンは、その場所にある観光地のデジタルツインなワールドの案内板です。
スフィアを開きポータルをくぐれば、その観光地までひとっ飛び。フォトグラメトリで作られたワールドにジャンプできます。

ここは、VoxelKeiさんが360度カメラで撮った動画を元に作られた四万温泉のフォトグラメトリワールド。一脚につけて持って歩くだけで元データを取得できます。
人が行き交う観光地でもサクっと撮れるのがいいところ。近くで見るとテクスチャが破綻している部分が目立ちますが、VRで見ると意外と気になりません。Insta360などの360度カメラの楽しみ方の1つとして流行ってほしい!

映像制作会社の太陽企画が撮影、VoxelKeiさんがワールド製作、Insta360の代理店も務めるハコスコが総合指揮をとった摩耶観光ホテルのフォトグラメトリワールドもありました。ここならいつでも自由に入って、モダニズム建築の美を堪能できます。

以前に紹介した軍艦島ワールドも、VoxelKeiさんがワールド製作を担当。元データは大西さん(@2012apocalypsis)が撮影したもので、ドローンも活用したそうですよ。
空を自由に飛べる昼・夕方・夜のワールドもあります

「複数人で空を飛んで楽しめるようにしたかった」という思いから作られた、JAPANELAND SKY(昼)、JAPANELAND SUNSETSKY(夕方)、JAPANELAND NIGHTSKY(夜)という3つの兄弟ワールドもあります。こちらはフォトグラメトリワールドへのポータルは設置されていませんが、遊覧船に乗ったり飛行装置を操って、日本の空の旅が楽しめます。

JAPANELANDシリーズの元データは衛星写真ではなく、国土地理院が公開している標高データを活用しているため、街や家屋の灯りを再現することも可能なんですって。飛行機から見る夜景が大好きな人にとっては好物すぎるワールドとなるでしょう。

だって視界を遮るものがない状態で、日本の夜景を津々浦々まで愛でられるのですから。ごちそうじゃないですかこんなの!
ところでVoxelKeiさんが使っているカメラ機材を教えてください

実際の景観をフォトグラメトリで3D化するには、どんなカメラ機材が必要なのでしょうか。VoxelKeiさんはEOS RとCANON RF15-35mm F2.8 L IS USM、RF16mm F2.8 STMを使っているそうです。
「RF16mmは最近買ったのですが、小さいし軽いし旅先で使うのにいいですね。フォトグラメトリ用ならズームレンズじゃなくてもいいですし」
複数の写真で重なっているエリアがあることが重視されるフォトグラメトリゆえに、広い画角で撮れる広角レンズのほうが扱いやすいとのこと。
ただ屋外の景観をフォトグラメトリするなら、フルサイズ一眼でなくてもいいそうです。広角で撮れることを重視するべきで、スマートフォンの超広角レンズやGoProなどでも十分楽しめるんですって。良いことを聞きました。
もしみなさんが、VRChat上にリアルな場所のフォトグラメトリワールドを作ったら、project JAPANELANDの公式ページから自分のワールドの情報をポストしてみましょう。いくつかの条件はありますが、JAPANELANDに登録してもらえるかもしれませんよ。
Source: project JAPANELAND , VRChat