時速約965kmで飛ぶ戦闘機に乗ると人間はどうなるの? 答えは『トップガン マーヴェリック』で!

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  • author 中川真知子
時速約965kmで飛ぶ戦闘機に乗ると人間はどうなるの? 答えは『トップガン マーヴェリック』で!
Image: (C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

みなさんは高速の乗り物に乗るのが好きですか?

私は結構好き。速度が上がることで自分の体にのしかかるG(重力加速度)を感じるのが楽しい。小さい頃は怖くて苦手だったのですが、富士急ハイランドのライドに乗りまくっていたら快感になったんですよね。

でも、自分が体験した最速は時速130kmくらいがマックス。では、時速約965kmだったらどうなっちゃうのでしょう? もっと具体的にいえば、それくらいの速度の戦闘機に人が乗ったら、中ではどんなことが起きているの?

実はこの疑問に答える映画が公開中なんです。そう、『トップガン マーヴェリック』です。

本当に戦闘機に乗ってる

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Image: (C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

『トップガン マーヴェリック』は、1986年公開『トップガン』の続編で、海軍エリート航空戦訓練学校(通称トップガン)に参加した無鉄砲なピート(コールサイン:マーヴェリック、演:トム・クルーズ)の30+α年後の様子を描いたもの。

天才パイロットのマーヴェリックが、インポッシブルなミッションを遂行させるために、トップガンの若手パイロットを訓練するために教官として戻ってくるストーリーです。

『トップガン』といえば、海軍が全面強力して戦闘機F/A-14を実際に飛ばしたことで有名。ストーリー、音楽、俳優、編集、音響など、すべての要素が格好良くて、映画公開後は海軍を志願する若者が殺到したことでも知られています。

ただ、『トップガン』では、本物の戦闘機を飛ばしていても、俳優たちの飛行シーンはスタジオに造られたF/A-14のコックピットで撮影されたんですよね。つまり、トム・クルーズは乗っていなかったんです。

で、この『トップガン マーヴェリック』では、実際にトム・クルーズをはじめとする俳優らが本物の戦闘機F/A-18に乗って時速約965kmを経験しつつ、演技をしているんです。この迫力、マジでやばい。

時速約965kmの戦闘機に乗るとどうなるの?

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Image: (C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

トム・クルーズが説明するに、地球上では1Gの重力がかかっているそう。2Gになると体重の2倍となって、たとえば体重90kgの人なら180kgに感じるのだとか。『トップガン マーヴェリック』では、7.5Gから8Gを受けているので、体重90kgの人なら725kgもの力で体が押しつぶされる感覚になるとのこと。

脳から血液が押し出され視界は閉ざされるだけでなく、血液は全て脚に流れこむそうです。嘔吐したり、G-LOCと呼ばれる意識不明になることもあるのだとか。

そんな状態を演技で再現しろと言われても難しいですよね。だから、トム・クルーズは「実際に乗ること」にこだわりました。何年にもわたってスタジオから「CGIで取れないのか?」と言われてきたのに、F/A-18に乗って、Gに耐えながら演技して、その一部始終をコックピットから撮影し、映画ファンに届けなければ、続編は作らないと心に決めていたのです。

F/A-18に乗るために

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Image: (C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

トムが強いこだわりを持っていても、数日で俳優らが8Gに耐えられる肉体を手に入れられるはずがありません。

まず、役者たちは『トップガン マーヴェリック』に参加するにあたり5カ月間もトレーニングしたそう。トレーニング・プログラムを作成したのはトム・クルーズ。それぞれのキャスト用に毎日の目標を書き、飛行機に慣れるためのインスタラクターを雇い、飛び方を学ばせ、Gを引き上げられるようにしたとのこと。

キャストがその日の様子を細かく用紙に記入すると、トム・クルーズがチェックして、プログラムをカスタマイズしていたのだとか。

そして、飛行に慣れるために、セスナ、エクストラ300、L-39アルバトロス単発エンジン高騰ジェット機、F/A-18と段階的に移行していったそうです。また、キャストの戦闘機のそばを他の戦闘機に飛行させてみたりもしたみたい。

ここまでやるのも、キャストは自分達が操縦していないにもかかわらず機動飛行し、Gに耐えつつカメラや照明を意識して演技しなければならないからなのです。実際に操縦桿を握るパイロットと同じくらい難しいことをしている可能性があるわけです。

そこまでやる意味ある?

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Image: (C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

おそらく、「そこまでこだわる必要あるの? CGIではダメなの?」と思う人もいるでしょう。それは劇場で確かめてみてほしいです。

『トップガン』を含め、歴代のフライトムービーの中でもここまでGを感じられる作品はないと言い切れます。観客は、劇場の椅子の背もたれに思い切り背中を押しつけ、足を踏ん張り、手を握り締めるはず。

そこには、トム・クルーズがこだわり続けた「本物の意味」があります。

そもそも、時速965kmの戦闘機に乗った人がどんな体の変化を体験するのかを、私たち一般人はほとんど知ることなく生きています。でも、『トップガン マーヴェリック』を見れば、それが特等席で見れる。あわよくば擬似体験できる。これってかなりスゴいことなんですよね。

【おまけ】トムとヘルメットの謎

あ、ちなみに作品を見ると、トム・クルーズってなんでヘルメットなしでもバイク乗ってるの? とか、トムの戦闘機のヘルメットが内側にライトついているんだけどなんで? みたいな疑問も出てくると思います。

トムが映画の中でノーヘルでバイクを乗るのは昔からのことで、これはスタントダブルではなくトム本人が運転していることを強調したいから、と言われています。

同じ理由で、ヘルメットの中が光ってトムの顔が見えるのも、トムが本当に乗っていることを強調したいからだと考えられます。実際、『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』では、トムのご尊顔をクリアに見せる特殊酸素供給ヘルメットが開発されていますから。

他にもいろいろ書きたいのですが、これ以上は長くなるので……。

とりあえず、私は上映中にIMAXであと2回は鑑賞する予定です。本当に、語彙力なくなるくらいにマジでスゴいので。

『トップガン マーヴェリック』は絶賛公開中。

【ネタバレ注意】『トップガン マーヴェリック』の謎の極超音速機は、SR-71ブラックバード開発チームが製作していた

『トップガン』新作に登場している極超音速機「The Darkstar(ダークスター)」は、ロッキード・マーティン社のスカンクワークスが製作を手がけていた。

https://www.gizmodo.jp/2022/06/darkstar-was-manufactured-by-skunk-works.html

Source: 映画『トップガン マーヴェリック』公式サイト

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