自分で撮影しない写真のおもしろさ。
僕は写真歴がもう25年以上になりました。最初に手にしたのはフィルム一眼レフ。それからデジタル一眼をメインに、コンパクトデジカメなどさまざまなカメラで撮影してきました。
そんな僕にとって、「写真を撮る」という行為は「ファインダーを覗くこと」です。光学ファインダーを覗きこんで、またはカメラの背面液晶ディスプレイを見て、そのなかに浮かび上がる光景を切り取る。それが撮影だと思っていました。
そこに突如現れたデジカメが、キヤノンの自動撮影カメラ「PowerShot PICK」です。カメラらしくない丸っこいデザイン。そしてポンと置いておくだけで、勝手に写真や動画を撮影してくれるという、僕の持つカメラの常識を覆すコンセプトを持つこのカメラ。正直、ファインダーを覗かない、つまり撮影者の意図が反映されない写真のどこがおもしろいのか、理解できずにいました。
そんなとき、「デジタル一眼ユーザーでありながらPowerShot PICKを使いこなしている人がいる」とのウワサをキャッチ。いったいどうやって撮影しているのか、そして「ファインダーを覗かない撮影のおもしろさ」はどんなところにあるのか。その答えを探るべく、そのご本人にお話を伺いました。
momoさんの「カメラで撮る」楽しみ方

お話を伺ったのは、momoさん。EOS Kissのアンバサダーも務めている人気のインスタグラマーです。主にデジタル一眼カメラで撮影を行なっているmomoさんですが、カメラを始めたきっかけは、お子さんだったそう。
銀次郎という柴犬を飼っているのですが、娘が生まれたタイミングで、銀次郎と娘の生活の記録を残しておきたいと思ったのがきっかけです。

momoさんのInstagramを覗いてみると、2人のお子さんと銀次郎の微笑ましい写真が並んでいます。以前からスマホやコンパクトデジカメでも撮影はしていたとのことですが、なぜデジタル一眼カメラを手にしたのでしょうか?
写真を撮るならきれいに残しておきたいと思ったからですね。最終的には撮影した写真をフォトブックにして、子どもたちが大人になったときにプレゼントしたいので。
ご自身がご両親から子ども時代の写真アルバムをプレゼントされてたいへん感激したことから、子どもたちにも写真をプレゼントしたいと思ったとのこと。そのため、撮影しているのも二人のお子さんと銀次郎の生活風景がメインとなっています。

写真を見たときに、娘と息子と銀次郎の3人が話していることが伝わってくるような写真を撮りたいなと思っています。大人になって見返したときに、会話の内容はもちろん覚えてないと思うんですけど、そういう感覚が蘇ってくるような写真を撮りたいですね。
自動で撮ってくれるロボットカメラ「PowerShot PICK」も愛用している理由

最初に買ったカメラはEOS Kiss X9。その後はアンバサダーを務めたEOS Kiss M2をメインに使ってきたとのことで、長年ファインダーを覗いて撮影してきたmomoさんが、PowerShot PICKを手にしたのが昨年12月。それからは、デジタル一眼カメラとPowerShot PICKの二刀流での撮影を楽しんでいます。
PowerShot PICKは、いわゆるカメラとは異なるデザインとコンセプトを持っています。撮影者がファインダーで被写体を覗いて撮影するのではなく、カメラが人の顔を自動的に認識して撮影してくれるという、これまでにない撮影スタイルを提供してくれるカメラです。事前に人物の顔を登録しておくと、レンズが自動的に動いてその人物を追いかけて写真or動画を撮影してくれます。また、ズームも自動で行ないます。

長年デジタル一眼カメラで撮影をしてきたmomoさんですが、PowerShot PICKが来てから「今まで撮れなかった写真」が撮れるようになったと言います。

犬と子どもって、常に動いているんですよね。デジタル一眼ではこういうシーンを撮りたいと思っていても、なかなか撮れないタイミングが多くて、運が良ければ撮れていたという感じでした。でもPowerShot PICKは子どもの顔を認識して自動的に撮影してくれるので、狙っていない表情が撮れる楽しさがありますね。
PowerShot PICKは写真だけではなく、10秒ほどの動画も自動的に撮影してくれます。momoさんはさらに、マニュアル撮影で子どもたちがおやつを食べている様子を動画で撮影することもあるのだとか。かなり活用してますね。
また、コンパクトなところも親にとっては大きなメリット。
持ち運びが楽というのは大きいですね。子どもと犬と出かけると何かと荷物が多くなりますが、PowerShot PICKは小さいので気軽に持ち歩けます。普段は小さな巾着袋に入れて持ち歩いています。


そのほか、デザインの面でも気に入っているとのこと。カメラらしくないデザインですが、そこが子どもたちの撮影には向いているようです。
やはりカメラを構えていると子どもたちが意識してしまうところがあります。でもPowerShot PICKはかわいらしいデザインで、ポンと置いてあってもあまり気にならないようです。おかげで、カメラで撮影するよりも自然な表情が撮れることが増えました。
PowerShot PICKは、登録した顔を自動認識するので、レンズがあちこち動きます。それも子どもたちにとってはおもしろいようで、レンズを覗きこんだりすることも。その表情が撮影できていたりするのもまたおもしろいそうです。


PowerShot PICKと一眼を使い分けると、新しい撮影体験ができる

デジタル一眼は、撮影者が自分の意思でシャッターを切って撮影をします。一方、PowerShot PICKは撮影者の意図とは関係なく、自動的に撮影してくれます。同じカメラですが、その性質はまったく異なるもの。momoさんは両者をどのように使い分けているのでしょうか。
銀次郎と子ども2人と私で一緒にケーキを作ったんですが、私もケーキ作りを手伝うので撮影はできません。でも、PowerShot PICKをポンと置いておけば、料理中の子どもたちの自然な様子を撮影してくれます。今までなら撮影を諦めていたシチュエーションでも撮影できるようになりました。
自分が撮影しないことで、より撮影シーンが増えたというのがおもしろいですね。
また、PowerShot PICKで撮った写真を見るのも楽しみになっているとのこと。
PowerShot PICKで撮影した写真をアプリで確認するのは楽しいですね。自分では撮影した瞬間を見ていないので、どんな写真が撮れたのかわからないじゃないですか。それを見るワクワク感があります。
PowerShot PICKが来てから、Instagramに載せる写真にも変化が現れました。
先ほどのケーキ作りの場合でも、これまでなら完成したケーキの写真だけを載せていたのが、作っている過程も載せてアルバムっぽくできるようになりました。見てくれている方にも、こんなにわちゃわちゃしながら作っているんだというようなコメントをいただいたりします。
momoさんは、自動的に撮影してくれるPowerShot PICKのメリットを最大限に活かしているようです。
momoさんにとって、デジタル一眼とPowerShot PICKはメインとサブという関係性ではありません。あるときはデジタル一眼、あるときはPowerShot PICKがメインになるという感じのようです。

たとえば、子どもが絵を描いているときなどのように、子どもたちの自然な表情を撮りたいときは、はPowerShot PICKがメインカメラですね。私がカメラを構えないほうがいい写真が撮れるので。一方で、家族でキャンプに行くときはデジタル一眼がメインになり、テントの設営の様子のように私が撮影できないシーンはPowerShot PICKで自動的に撮ります。そのときによってメインカメラが変わるというのが私の中のイメージですね
一眼とPowerShot PICK、どちらがメインというわけではなく、どちらもメインなのです。
また、PowerShot PICKを手にしてから使ってみたいシチュエーションがあるとのこと。それは親戚の集まり。
お正月に実家に帰ったとき、親戚が集まるじゃないですか。そのときにPowerShot PICKをポンと置いておくと、自然とみんなの写真が撮れますよね。特に親戚の子はカメラ慣れしていないので、カメラを向けると表情が固まったり、逃げてしまったりすることもあるんです。でもPowerShot PICKなら気にならないでしょうから、自然な表情が撮れると思います。
確かに。大人数がいるシチュエーションはPowerShot PICKが得意とするシーンかもしれません。キメキメのカットよりも、より自然な表情を好むmomoさんらしい、PowerShot PICKの使い方ですね。
写真や動画の表現の幅を大きく広げてくれる「もう1台のメインカメラ」


momoさんのお話を聞き、実際に撮影した写真や動画を拝見して、これまで僕が思っていた「撮影をする」という概念が大きく変わりました。
写真は「撮影者が意図したシーンを残すもの」だと思っていたのですが、写真のおもしろさはそれだけではなかったんですね。撮影される人も撮影する人も意識していないシーン。これまで誰も撮ることができなかった写真が撮れるのがPowerShot PICKなのです。
果たしてそれが「自分の写真」と言えるのかどうかちょっと考えたのですが、写真や動画は、自分がその場にいた証拠のようなもの。だったら自分が撮っていなくても、その場に自分がいたのなら、それは自分の写真になるのかなと思います。だってmomoさんの写真を見ていると、その場にいない僕にすら楽しい雰囲気が伝わってきますもん。
カメラに詳しくない人が、お手軽に撮影できるカメラ。そんなイメージがあったPowerShot PICKですが、今回momoさんのお話を伺って、そうじゃないことがわかりました。写真や動画の表現の幅を大きく広げてくれる、新しいジャンルのカメラ。それがPowerShot PICKなのです。
Source: キヤノン