エルサルバドルの右派大統領が、火山を使ってビットコインで一山当ててウハウハを狙っているようです。
世界で初めてビットコインを国の通貨に認定して世界を驚かせたエルサルバドルの右派大統領であるナジブ・ブケレ氏(40)が、ビットコイン絡みでまた脚光を浴びていますよ。今度は、火山による地熱発電を用いた「ビットコイン・シティ」を建設して、暗号通貨の知名度を上げて普及させるんだそうです。
“Los únicos impuestos que van a tener en #BitcoinCity es el IVA, la mitad se usará para pagar los bonos de la municipalidad y lo demás para la infraestructura pública y el mantenimiento de la ciudad”, Presidente @nayibbukele. pic.twitter.com/1Z0BjkaPT2
— Casa Presidencial 🇸🇻 (@PresidenciaSV) November 21, 2021
火山の地熱を利用したビットコイン・シティ構想
ブケレ大統領は先週、同国東部のラ・ウニオンに「ビットコイン・シティ」を建設すると発表しました。ロイター通信によると、「ビットコイン・シティ」で課されるのは付加価値税(VAT)だけで、その他の税金は一切なし。なんでも、ビットコインを模した中央広場までつくるのだとか。円形の新都市には、空港や商業施設も建設されるそうです。
同国政府のプレスリリースは、ビットコインのマイニングに必要な大量のエネルギーは、2つの成層火山からできたコンチャグア山の地熱発電でまかなうと伝えています。
9月にビットコインのプロモーションを1週間行なった後のイベントで、ビットコイン・シティー構想を明らかにした際に、大統領はこう述べています。
みなさん、どうかビットコイン・シティーに投資して、好きなだけお金を稼いでください。火山のエネルギーを利用した、すべてにおいてエコな都市になります。
専門家によると、同国は2022年に10億ドル(1140億円)の「ビットコイン債」を発行して建設資金を調達するのだとか。ビットコイン債は、サイドチェーンのリキッドネットワークが、名目利回り6.5%で発行するそうです。
リキッドネットワークを管理するブロックストリーム社によれば、調達資金のうち5億ドル(570億円)についてはインフラ整備やビットコインのマイニングにあてられ、残りの5億ドル(570億円)は、ビットコインの買い増しに使われる予定とのこと。
市民は反発&警戒
でも、ラテンアメリカで最貧国のひとつと言われるエルサルバドルの市民が、大統領やその取り巻きと同じくらいの熱量で「ビットコイン・シティー」に入れ込むとは思えないんですよね。ビットコイン導入時にアクセスが集中したことでシステムに不具合が発生、抗議デモにつながりましたし、世論調査では、市民がビットコインにこだわる大統領に警戒心を抱いていることが明らかになっています。
大統領には極めて不安定なデジタル通貨に固執するんじゃなくて、生活が良くなるような社会づくりに専念する方が、市民の受ける恩恵は大きくなると思うのですが、そんな気配はなさそうな感じですね…。