ハイエンドなSurface Laptop Studioレビュー:アーティストにとって夢のモバイルマシン、でも高い

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ハイエンドなSurface Laptop Studioレビュー:アーティストにとって夢のモバイルマシン、でも高い
Photo: Sam Rutherford Gizmodo US

すごくいいけど、もちろんお高いんですよ。

Windows 11搭載、Surfaceのラップトップの中でもハイエンドなSurface Laptop Studioが登場しました。

サイズも大きい、高スペック、そしてスタイラスペンも進化したというSurfaceは主にクリエイターがターゲットですが、どんなもんなのかは非常に気になりますよね。米Gizmodoによる実機利用レビューをお届けします。


世の中に存在する数多の2-in-1 PCの中でも、Surface Bookはユニコーンのような存在。翼を開けば普通のPCに、ボタンを押せばスクリーンが切り離され飛び立って、風を漂う独立したタブレットにもなるのである。…ユニコーンの例えはちょっと大げさだったかもしれませんが、言いたいことがわかっていただけましたでしょうか。つまり、Surface Bookのデザインは他に類を見ないものだと言いたかったのです。

一方、Surface Bookのエキセントリックな構造は完璧ではなく、代償も払う必要がありました。コンピューターに必要な全ての部品をタブレット半分に詰め込んだ結果、巧妙な構造だけど扱いにくいヒンジ、重いボディ、そして次期モデルへのアップグレードが簡単ではなくなってしまいました。しかし今回発売されたSurface Laptop Studioは、Surface Bookのレガシーを受け継ぐ、進化した2in1を実現しました。それは、モバイルアーティストの夢のマシンといっても過言ではありません


Surface Laptop Studio


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Photo: Sam Rutherford Gizmodo US

これは何?:デジタルアーティストのための変形するSurface。

価格:1,600ドル(約17万9000円)から。今回レビューしたものは2,700ドル(約30万2000円)。

いいところ:ゴージャスでユニークなデザイン、バッテリー駆動時間の長さ、驚くほど精緻なスピーカー、ファーストクラスなスタイラスペン、素晴らしいタッチパッドとキーボード、120Hzのディスプレイ、強力なパフォーマンス、Thunderbolt 4対応。

残念なところ:高い、重い、ポートがあともう2つ欲しい、Windows 11はもう少し磨きをかけてほしい、スクリーン角度の設定ポジションが少ない、CPUオプションにAMDがない、Slim Pen 2が最初から付属されていない。


これは21世紀のデジタルイーゼルだ

Surface Bookと新しいSurface Laptop Studio(以下、Studio)の最大の違いは、2in1デザインだけでなく、14.4インチ2,400×1,600のタッチスクリーンを通常のノートPCのように開くことができる上に、イーゼルのように前に傾けることができることです。これは、Acerの「Concept D9」など、クリエイター向けのノートPCで見たことがある仕様ですが、Studioはそのアイデアがより洗練されていて、かなりスマートな仕上がりになりました。Studioの独特なデザインは、ふたの中心にある薄いパネルの隙間ですが、このヒンジがシステムに及ぼす影響はとても大きいと思います。

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Photo: Sam Rutherford /Gizmodo US

普通にPCとして使う場合でも、Studioは他のノートPCと同等レベル以上の機能を備えています。ホワイトボードでブレストしたいときなどは、Studioのディスプレイを手前に引いてステージモードにすれば、あらゆる種類のコンテンツ制作に最適な表面(Surface)を作ることができます。

さらにより低い位置で、製図台のように使いたい場合は、もう一度押して下げれば、Studioが大きなタブレットになり、より手で直接描きやすい角度で作業することができます。

これはかなり素晴らしい使い心地でした。120Hzの美しいスクリーン、最大450nits以上の輝度、そして豊かで正確なカラー、自宅でも外でも仕事や制作活動が捗りそうです。しかしながら、スクリーンの角度設定の選択肢が思ったより少なくて、物足りないと思いました。ラップトップモード、ステージモード、タブレットモードがありますが、それらのモードと違う角度で作業したい場合は、手を添えた方がいいと思います。というのも、Studioのヒンジはこれらの3つのモード以外でポジションを保てるように設計されていないからです。(これは私の記憶が正しければ)Microsoft(マイクロソフト)がキックスタンドをアップグレードして、どんな角度でもポジションを維持できる硬いヒンジにするまで、初期のSurface Proの多くが抱えていた弱点と同じですね。

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Photo: Sam Rutherford / Gimzodo Us

筐体のデザインは、マグネシウムとアルミニウムでゴージャスな仕上がり。オーバーハング(下部分よりも上部分が張り出したデザイン)な構造となっていますが、これにはいくつか設計上の理由が存在します。

まず、キーボード正面の下に、Slim Pen 2(同梱していません)をマグネットで装着し収納して充電できるようになっています。また、埋め込み式の通気口がフレームの側面から押し出されるため、熱い風が吹き付けられる可能性も低くなります。

そして(Microsoftはそう言いませんが)、某りんごのマークの会社のノートパソコンと区別しやすくなるのもあるんじゃないかと思います。もしStudioの側面がオーバーハング構造ではなくて、まっすぐだったら、他社のPCと似ちゃいますからね。

サイズとしては、このような柔軟性を備えた14インチのノートPCとしてはコンパクトなほうだと思いますが、それでも重く、Core i5モデルは約1.74kgCore i7モデルは約1,82kgと、プロセッサによって重量は異なります。前モデルから比較すると若干軽くなっていますが、15インチのSurface Bookは約1.9kgなことも考えると、ウルトラポータブルな軽さとは言えません


感じたままに反応するスタイラスペン

このStudioの特徴はスタイラス体験にもあります。フォースフィードバック(入力操作に応じて入力装置に振動を伝える機能)を備えたスタイラスペンはより専門性の高いデバイスで使えますが、まだ一部の人しか必要としないものです。Studioは、Surface Slim Pen 2に搭載された触覚モーターにより、紙の上に書くような感覚で書いたり、絵を描いたりできます。

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Photo: Sam Rutherford / Gizmodo US

Surface Slim Pen 2と内蔵のG6チップと組み合わせることで、対応アプリ(Windows Ink対応アプリや、Microsoftのフォースフィードバックプラットフォームを特別に統合しているアプリ)上で、描くときにゴロゴロ〜とした音や振動を感じることができるにも特徴です。これは「スクリーンに描画する」ことに、別次元の体験をもたらしてくれます。WordやOneNoteのようなアプリでも動作し、単語をまるで囲んで強調表示したり、フレーズに線を引いて削除したりすると、スタイラスペンがゴロゴロと反応してくれます。

私は画家ではありませんが、このフィードバック感は、Windows Inkの体験に新たな深みが加わったと思いました。私は不器用ですが、キーボードを叩くよりもスタイラスをもっと使いたいと思わせてくれます。全てのアプリケーションで使えるわけではありませんが、Photoshopも含む、主要なアプリケーションのほとんどで利用することができます。


ファーストクラスのキーボードとタッチパッド

通常、Windowsのノートパソコンのキーボードやタッチパッドに関しては、特筆するものなく、特に長年のMacBookファンからは、「タッチパッドはApple(アップル)のほうが優れている」というエリート意識を持たれる雰囲気すらあります。でもStudioは、Windowsを含むほとんどのノートパソコン以上のタイピングとマウスの操作感は良い感じでした。

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Photo: Sam Rutherford / Gizmodo US

Studioのキーボードは、3段階のバックライトの強さと硬すぎないしっかりとした打鍵感が特徴です。Studioのタッチパッドは、洗練された触覚フィードバックに、非常に正確なジェスチャー認識を備えた大きなガラスパネルを採用しているのですが、率直に、これはすごくよい。これからはStudioのタッチパッドが、他の製品と比較するための新しい比較対象となりそうです。


強力なパフォーマンス、強力なパフォーマンス、でもAMDのサポートは?

Studioが発表されたときは、多くの人がGPUが「Intel Iris Xe グラフィックス」か、オプションで「Nvidia RTX 3050 Ti」であることに不満を感じたと思います(今回のレビュー機は後者になります)。しかしこのマシンはゲームマシンではなく、モバイルでもコンテンツを制作するためのマシンなので、少なくても私のテストでは、「Nvidia RTX 3050 Ti」はスムーズでサクサク動作していて、性能は充分でした。


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Photo: Sam Rutherford / Gizmodo US


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Photo: Sam Rutherford / Gizmodo US


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Photo: Sam Rutherford / Gizmodo US


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Photo: Sam Rutherford / Gizmodo US


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Photo: Sam Rutherford / Gizmodo US


それよりも、MicrosoftがStudioのCPUにIntel(だけ)を採用したことのほうが気になるかもしれません。 誤解を恐れずに言えば、レビュー機に搭載されている「Intel Core i7-11370H」はかなりスピード感があります。しかし、Razer Blade 14など、他の14インチのラップトップに搭載されているような「AMD Ryzen 9 5900HX」CPUが、Studioに搭載されていたらどれほどパワフルになったことかと想像してしまいます。Geekbench 5などのベンチマーク上は、Blade 14の112,796に対して、Studioは61,617というマルチコアスコアを記録しました。また、Blade 14は4Kムービーを1080pにトランスコードするのに7分26秒しかかかりませんでしたが、Studioは11分21秒でした。またBlenderでも同じで、レンダリング時間にBlade 14は3分48秒だったのに対し、Studioは7分7秒という結果でした。

Studioのパフォーマンスは悪くありません。でもAMDを採用していればもっとよくなっていただろうに…と思うところもなくはないですね(MicrosoftがSurface Laptop 4でAMDを採用していたのでなおさらです)。

動画のランダウンテストでは、バッテリー駆動時間は11時間44分。Surface Laptop Studioは、Razer Blade 14(6時間41分)やAlienware m15 R5(7時間27分)には勝ちましたが、Galaxy Book Pro(14時間46分)やSurface Laptop 4(12時間21分)のような、軽量で消費電力の少ないウルトラポータブルには及びませんでしたが、平均以上を保っていると思います。

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Photo: Sam Rutherford / Gizmodo US

ポートに関してですが、Studioでの大きな進化は、Thunderbolt 4を備えた2つのUSB-Cポートが備わったことです。AMDのチップを搭載したデバイスにThunderboltを搭載するのは、デバイスメーカーにとって実は面倒なことらしいので、今回CPUにIntelだけを採用した理由は、そこにあるのだと思います。Studioは単体利用でも1台以上の外部ディスプレイに接続しても同じように使えるように設計されているので、Thunderboltを搭載するためにIntelのCPUにしたことは、仕方のないことかもしれませんね。

また、3.5mmオーディオやマグネット式のSurface Connect ポートにも対応していて、SurfaceのAC アダプターと組み合わせることで、USB 3.2 Type-Aポートが追加されるというメリットもあります。でも個人的に思うのは、Surface Connect ポートは廃止して、USB Power Delivery対応USB-Cポートを採用してほしかった。ハイエンドのMacBook ProにはUSB-Cポートが4つ搭載されていますが、理想的にはStudioもそうなってほしいなと思います。

またStudioは、音楽アーティストよりもビジュアルアーティストをターゲットにしていることは明らかですが、搭載されている4つのDolby Atmos 対応のクアッド(4つ)Omnisonicスピーカーはとても印象的で、さらに1,080ピクセルのフロントカメラもシャープに写ります。

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Photo: Sam Rutherford US

これは買い?

Surface Laptop Studioは特別な存在感を放っています。素晴らしい筐体の構造、鮮やかでスーパー滑らかなディスプレイ、豊富なツールとプレミアムな機能を提供しています。さらに、スタイラスペンをマグネットから外すと、自動的に描画メニューが表示されるなど、気の利いた工夫も隠れています。

しかし、Studioの最大の欠点は全然安くないことです。Core i5 CPUと内蔵グラフィックスの組み合わせで1,600ドル(約18万円)スタート、RTX 3050 Ti GPUを搭載する場合は2,100ドル(約23万6000円)スタートになります。さらにアップグレードしたGPU、32GBのRAM、2TBのSSDを搭載したフルモデルは3,100ドル(約34万9000円)という価格に…。しかし、Microsoftが練り上げた繊細なタッチや細かいディテールを活用できるアーティストにとっては、Surface Laptop Studioは、ハイテクと便利な機能が融合した、こだわりのデバイスに感じることができると思います。

ちなみに日本では、2022年前半に発売予定です。


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