見たいような怖いような…。
日本の携帯電話業界にとって、iPhoneほど首を絞める存在となったものはないでしょう。ガラケーの時代には、日本のメーカーの新モデルが続々と季節ごとに発表され、いろんな珍しい機能のリリースで盛り上がっていたのも、いまは昔です。すっかりスマートフォン市場は、海外メーカーのモデルばかりで占められるようになり、国産モデルは影を潜めてしまいました。これが、もしほかの業界でも同じ流れをたどったなら?
Apple(アップル)が、自動車業界へ「Apple Car」なるものを開発して、殴り込みをかけようとしている! まだうわさの域を出ないものの、日本の数々の携帯電話事業を追いやったAppleの自動車産業への進出は、本当であれば脅威ともなることでしょう。それゆえに、名だたる自動車メーカーとAppleの提携話は頓挫したともいわれていますし、当のAppleでさえ、舵取りに苦しんでいるようにも見えます。
Apple Car開発陣が続々退社
たとえば、このほどBloombergは、Tesla(テスラ)のエンジニアだったDoug Field氏が、開発プロジェクトのコアなチームを率いているとされる、Apple Carの部門内での変化について報じました。どうやら、次々と人材の流出が続いているそうで、Dave Scott氏は、つい先日、Apple Carの開発に携わるのをやめ、まったく新たな低価格MRIを開発するHyperfineのCEOとなりました。Apple Carの安全面での開発責任を担っていたとされるJaime Waydo氏もやはりAppleを去り、いまでは別の自動運転車メーカーのCavnueでCTOを務めています。さらに、今年2月には、プロジェクトの立ち上げからApple Carの開発にかかわっていたともされるBenjamin Lyon氏も、衛星開発をAstraで進めるべくAppleを退社したと報じられていましたね。
Apple Carは難航しているのかも
思えば、Apple Carのプロジェクトの存在は、古くは2014年にまでさかのぼり、当時はTesla対抗のEV(電気自動車)をAppleが発売しようとしていると注目を浴びたものです。その後一度は自動車の販売ではなく、単に自動運転システムの開発をAppleは進めているのだとの報道に落ち着いたものの、最近では、またもやApple CarというEV販売が、早ければ2025年にも実現するだなんてうわさにもなっていました。
とはいえ、今回の一連の人材流出ニュースから伝わってくるのは、かなりApple Carのプロジェクトは難航しているのでは? プロジェクトそのものが打ち切られたわけではなさそうですけど、実際にApple Carが完成し、ボクらがハンドルを握れるようになるのは、もっともっと先の話かもしれません。Google(グーグル)でさえも方向転換を強いられましたし、自動車業界の壁は想像以上に高いのでしょうね~。
Source: Bloomberg</small>