交渉決裂で検索サービス停止も?
ニュースって、なにで追ってますか? 昔であれば、もっぱら新聞こそが、ニュースの情報源という人が大半だったかもしれません。あとはテレビやラジオもそうですけど、いまではネットでニュースを見ている人がほとんどなのでは? 新聞社のホームページなどへ、直接訪れてニュースを読んでいる人って、そんなに多くはないでしょう。日本ならヤフーのトップページとかに表示されるトピックスなどで、最新情報を入手しているというケースが一般的なのでは? あとはTwitterやLINEニュースとか?
こうしたポータルサイトや、Google(グーグル)などの検索サイトでニュースが表示される場合、やはり著作権やコンテンツ使用料の問題が生じてきます。これまでGoogleニュースとしては、検索結果にスニペットとして記事の一部が表示されても、そこからリンクをクリックして、報道元のニュース配信サイトへとユーザーを飛ばしているのだから、これは双方にメリットがある無料サービスだとする立場を、大方の国で取ってきました。ですが、いま世界の各国で、Googleニュースなどは勝手に報道記事を掲載し、サービスを拡大しているのに、コンテンツ使用料の支払いを免れているとして非難する動きが活発になってきているんですよね…。
たとえば、このほどYahoo Australiaは、オーストラリアで制定が目指されている、Googleなどに、ニュース記事の表示でコンテンツ使用料の支払いを求める新法案をめぐる駆け引きを報じています。Google AustraliaおよびNew Zealandを代表するMel Silva氏は、新法案に断固として反対する姿勢を表明。もし法案のとおり、厳格にコンテンツ使用料が定められるならば、もはやオーストラリアで、Googleの検索サービスそのものを停止せざるを得ないと発言し、物議を醸していますよ!
オーストラリアの人々へ提供している無料のサービスならびにGoogleのビジネスモデルは、Webサイトへのリンクを自由に設けてよいという前提に基づいてきました。これこそがインターネットの基本構造です。オーストラリアでサービス停止を決めるのは、Googleが、もっとも望んでいない結末です。
Silva氏は、新法案をめぐる公聴会の席で、オーストラリアの上院委員会に対して、こんなふうに語ったとされています。そもそもGoogleニュースなどから、オーストラリアの各ニュースの配信元へ、ユーザーがリンクをクリックして送客された延べ人数は、2018年のみで30億回を超えており、これは2億1800万ドルの効果を、報道元へもたらしたことになると説明。すでに相乗効果で、ニュースの提供元へも対価が支払われているとのスタンスを示してはいるようですけど、オーストラリアでは、GoogleやFacebookは、もっと報道元に対価を支払うべきだとする風潮も強まっているんだとか。
なお、このような規制は、ヨーロッパでも盛んなようで、フランスのように、一部の報道元へGoogleがコンテンツ使用料の支払いに応じたケースも出てきているようです。一方、やはりGoogleニュースと報道各社の関係は、持ちつ持たれつでもあるみたいなので、特定のコンテンツ使用料の支払いまでは求めず、そのまま無料でサービスの継続が認められている国もあったりします。まだまだこの問題の落としどころを探るのには、時間がかかりそうですよね。
Source: Yahoo Australia, Gizmodo US