1億1000年前のブラジルにはこんなオシャレな恐竜がいたらしい

  • 6,494

  • author Germain Lussier - Gizmodo US
  • [原文]
  • たもり
1億1000年前のブラジルにはこんなオシャレな恐竜がいたらしい
Illustration: Bob Nicholls/Paleocreations.com 2020

どんな鳴き声なんだろう…。

とある恐竜の化石を再分析したところ、これまで目にしたことのない特徴が明らかになりました。その特徴というのは、背中にかけて生えた長い毛皮のようなたてがみと、肩から2本ずつ突き出た棒状の構造物。科学者らは、このような凝った装飾は誇示行動に使われていたと語っています。

Ubirajara jubatusと呼ばれるこの獣脚類の恐竜はニワトリほどの大きさで、1億1000年前に超大陸ゴンドワナに生息していました。左右の肩に2本ずつ生えたストローのような構造物は、今まで非鳥類型恐竜には見られなかった特徴で、シロハタフウチョウのオスに見られる長い装飾羽を彷彿とさせるものです。


威嚇や求愛のために使われた

この発見はCretaceous Researchに発表され、著者たちはUbirajaraが両肩の構造物をオスのライバルを威嚇したり、捕食動物を追い払ったり、交尾相手を引き付けるために使っていた可能性が高いと述べています。

201221dinosaur2
Illustration: Nicholls/Paleocreations.com 2020

性別は断定できなかったものの、派手な飾りからしてオスだと推定されています。現代の鳥類と古代の獣脚類は共通の先祖を持つため、この発見は鳥類の誇示行動が恐竜から受け継いだものであることを示唆しています。ただ、同じ戦略を独自に習得した可能性もあるため、その結論はまだ出ていません。

前述の化石は、数十年前にブラジル北東のクラト層にあった2つの石灰石から発見されたもの。この標本はやがてドイツへと送られ、カールスルーエ自然史博物館に保管されていました。最近になって古生物学者らのチームが化石を高解像度のデジタルX線機器で検査したため、前述の特徴が明らかになりました。

研究者たちは不完全な状態の化石の中から幸いにも保存状態の良い糸状の構造物を発見。長く平坦な構造物は髪や羽根、爪を構成するケラチンでできていることが分かりました。


リボンのような構造物はこれまで見たことがない

ポーツマス大学の古生物学者で論文の第一著者であるRobert Smyth氏は「リボンのような構造物はこれまで見たことがない。細長く平べったくて、構造物を補強するような隆起がある」とメールに綴っています。「似たような形状の繊維は他の恐竜にも知られているが、このサイズの恐竜に対してこれほど大きなものはない」とのこと。

Smyth氏いわく、獣脚類の系統樹の中でUbirajaraはそのような特徴を持つ最初期の系統なんだとか。「凝った装飾羽は、進化して鳥のような複雑な羽を持つ恐竜のみに限られていたとこれまでは考えられていた」と付け加えています。

また、論文には犬が毛を逆立てるようにUbirajaraがたてがみを背中の筋肉でコントロールしていたとも書かれています。

Smyth氏はメールの中で、「粗剛毛に似た“たてがみ”は密集した細長い単繊維でできている。首の後ろから背中にかけて長くなっており、上下に動かすことができた」と説明しています。 生態については、古代の海に接する降雨量の少ない環境に生息して小型の爬虫類や水陸両生類を餌としていたようだと述べています。


先住民の言葉で「神の槍」

Ubirajara jubatusという名称は、先住民のトゥピ語で「神の槍」を意味する言葉のUbirajaraと、ラテン語で「たてがみのある」「とさかのある」という言葉のjubatusを合わせたものです。Ubirajaraの発見はブラジルのクラト層で初めて発見された非鳥類型恐竜という点でも重要です。

今回のような恐竜の外見上の構造を学べる新発見は、私たちの恐竜そのものとその見た目に対する考えを根本的に変えるものです。また同時に、彼らの行動に関して新たな洞察をもたらす研究でもあります。

Source: About Birds of the World, University of Portsmouth,

    あわせて読みたい