走破性はルンバを上回るが、床にうんこは置かないほうがいい:お掃除ロボ「RoboRock S6 MaxV」レビュー

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  • author 小暮ひさのり
走破性はルンバを上回るが、床にうんこは置かないほうがいい:お掃除ロボ「RoboRock S6 MaxV」レビュー
Photo: 小暮ひさのり

ロボット掃除機は欲しいけど、床を片付けるのが面倒で…。

きっと多くの人がこうしてロボット掃除機を見送っているのでしょうが、先日発表されたロボット掃除機「RoboRock S6 MaxV」は、「見る」力でこの課題に向かいました。マッピング対応に加えて、2眼のカメラとAI解析によって、障害物を避けて掃除するというのです。

AIは、「履物」「コード」、さらには「ペットの糞」を見分けて、最適な距離で回避するそうな。これが実現できるなら、多少床が散らかっていても、たとえ猫のうんこが床に飛び散っていても安心です。ロボット掃除機を迎えるハードルがグンと下がるでしょう。

今回、あまりにもうんこ避け能力が気になったので、製品をお借りして試してみました。

おそらく多くの人が「うんこを回避できたのか?」が気になるとは思いますが、まずは順を追って読んでみてください。それまで使っていたルンバ(僕が使ってたルンバ i7ですが)との比較を交えて、メリット・デメリットを紹介していきますね。

どうしてもうんこの行方が気になる方は、真ん中くらいからです。

RoboRock S6 MaxV

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Photo: 小暮ひさのり

これは何?:カメラを2つも備えたロボット掃除機

いくら?:8万6800円

好きなところ:正確なマッピング能力とアプローチ

好きじゃないところ:ありふれた吸引構造

距離がわかるため、隅や家具の周囲へのアプローチが強い

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こちらがレーザーセンサー

「RoboRock S6 MaxV」はレーザーで部屋の形状をマッピングします。レーザー式は夜間など、暗がりでも正確に部屋のカタチがわかるので、時間帯や光量を問わず正確に、素早くお掃除できるのが特徴。

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間取りを作るレーザーマッピングは本当に正確で、我が家の間取りを完璧にアプリ上に描きました

アプリからは、掃除中のロボットの動きまでわかるので、「おっ、今あそこを進んでいるな」というのが確認できるのが面白いですねー。

また、人間の目のように正面に並んだ目があることで、対象物までの正確な距離がわかるのでしょう。果敢に壁や家具に向かっていってガツガツとタッチするルンバと比べると、ほとんど家具には触りません。優しくタッチするくらいで、掃除中の静音性が高く、壁際や家具の足回りが汚れたり傷つくこともありません

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狭い空間にも果敢に挑み、サイドブラシはしっかりと壁の端まで届けてくれます。

日本の家庭では、狭い空間に複数の家具を配置しがちで、ロボット掃除機にとってはあまり走りやすい環境とは言えないのですが、この優しさと正確さは日本の家庭向き。センサーを使った掃除へのアプローチは、ひょっとしたらルンバよりも優れているのでは?とも感じます。

また、我が家には「畳の上にカーペット」とかいう、日本の家庭あるあるで、ロボット掃除機にとってはハードモードなエリアがあるのですが、カーペットをめくりあげなかったのも、個人的には評価したいですね。ルンバだとサイドブラシでカーペットをめくりあげて、ときにカーペットの下まで潜り込んで大冒険していることもありましたが、こちらではまだ一度もありません。

ルンバはトラブルに際した時の対処や脱出は上手いんですが、「RoboRock S6 MaxV」は、そもそもトラブルにならないような配慮が施されています。

障害物を回避・報告してくれるAI認識はまだ発展途中

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先程「トラブルにならないような配慮」と言いましたが、その最たるものが2眼カメラによる物体認識。また、AIによる分析によって、そのものが何なのか?も判断します。掃除中にヤバ目なものを見つけると、距離を測定して、AIがそれが何か?を認識して、危なければ回避します

こうして回避した障害物は、アプリのログから確認できます。これにより、ロボット掃除機を使うためには、床にモノを置かない生活にしなければならない。という最大の障壁を下げられるのが「RoboRock S6 MaxV」の狙いです。

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Image: RoboRock

現時点でAIが認識できるものはこれらの物体。種類に応じて回避距離が異なるそうです。「ペットの糞」などクリティカルなものは距離を多めに取って回避するとのこと。

さぁ、ここである意味本題。みんな気になるであろう、うんこを回避するのか?実験を行ったのですが…。

結論から言うとうんこ(フェイク)は踏みました

ただし、一つ注意してほしいのは、今回使用したのがリアルうんこではなくて、うんこに似せて作ったフェイクうんこだということ。アダムに似せて人が作りしエヴァンゲリオンみたいなものなので、正確性・再現性に欠ける実験であるということはご了承してくださいね。OKなら続きをどうぞ。

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ダンボールで作ったフェイクうんこ(自信作)

まずは、リビングにフェイクうんこを置いてみました。

明日使える無駄な知識として、ダンボールを水に付けてクシュクシュするとうんこ風になります。今回はこちらをうんこに見立てて、フロアに配置しています。

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惨事です。

ロボットは最初カメラでよく「見て」踏みとどまっていたのですが、最終的には回避しきれずうんこは踏まれていきました。

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アプリのログを見たらフェイクうんこは「その他の障害物」として認識されていました。

うんこの場合は「ペットの糞」として認識されるみたいなので、僕としては、完璧なうんこだと思ったのですが、AIはこのうんこがフェイクであることを見破っていたのでしょう。しかし、「回避済み」とありますが、実際は踏まれています。このあと2回試しましたが、このフェイクうんこは毎回踏まれていました。3ストライクです。

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「あのお菓子」もダメでした…

後日、小動物のうんこに近い別のフェイクうんこで追試を行ったのですが、こちらもやはりうんことはみなされず…。これだけ近い見た目でうんこではないと判断されてしまうということは、ペットの糞も形やサイズによってはうんこ認定してくれない可能性が高いと思います

RoboRockの公式ページには、

100%の認識を保証するものではありません。環境によって認識精度が異なる場合があります。

と、注意書きがあるので、現状のカメラによるAI認識は「なるべく床は片付けた方がいいけど、片付け忘れてもトラブルで止まりにくい」レベルであると考えておきましょう。今回の実験では、床に置いたコードや子供のオモチャなどは回避していましたが、完全回避ではなく、わずかに接触したり乗り上げることもあったので過信は禁物。ペットもケージに入れましょう。

また、これは余談ですが、リビングにうんこを置いてニコニコしながら写真を撮っている僕の姿を見て、「ついに頭おかしくなっちゃったの?」と妻から心配されてショックでした。「ついに」ってなんだ「ついに」って

テレワーク向け? 人がいる時間でも使える、部屋・エリア指定掃除

ものすごく期待していたAIによる回避性能はイマイチでガッカリしたのですが、マッピング能力は優秀で便利です。

アプリでは一度部屋をマッピングすると、掃除する部屋の指定やエリアの指定ができます。お風呂上がりに脱衣所だけ掃除、食事の後に食卓のまわりだけ掃除。といったピンポイントの掃除ができます。

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人が居ない時間に部屋全体を掃除するのが、従来のロボット掃除機のセオリーでしたが、最近はリモートワークの増加によって、日中に家に人が居る家庭も少なくないでしょう。

そうなると、こうして部屋ごとやエリアごとに掃除ができるロボット掃除機の方が有利なのでは?と感じました。

ただ、ぼくはせっかちなものでして、汚れに気がついたら直ぐにキレイにしたくなり、コードレス掃除機を取り出しちゃうので、あまり恩恵には預かれていません。コードレス掃除機も最近軽くなってきているので、あまり掃除も苦じゃなくなってきているんですよね。

ロボット掃除機は賢くなるわ、掃除機自体も軽くなるわで、近年お掃除は本当に楽になりましたね。素晴らしいことだと思いませんか?

優秀だけど、わかりやすさやメンテナンス性はもう一歩

アプリではマップを見たり、スマホから遠隔操作(ロボット視点で動かせますよ!)までできて本当に多機能なんですが、よくないところもあります。まず、初期設定で戸惑ったのが、なかなかWi-Fiの登録ができなかったところ。

Wi-Fiは2.4Ghz帯のみの対応です。まぁ、それはいいんですが、指示通りに手順を進めてもなかなかロボットがWi-Fiに接続してくれません。僕は3度トライでやっと繋がりましたが、この間、何ひとつ手順は変更していません。はい、一番困るやつですよね…。ルーターは目の前にあるし、正直何が悪くて繋がらなかったのか、本当に謎です。

こうしたアプリのUI/UXは、圧倒的にルンバの方が上です。接続もシンプルで楽ですし、アプリの操作系も直感的で、設定項目もわかりやすさが重視されています。RoboRockのアプリは多機能なのはいいのですが、なかなかにフクザツで、普段からガジェットをかじってないと、それぞれを理解するまで時間がかかります。

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集塵・吸引・移動のアプローチは、よくあるロボット掃除機。

最近のロボット掃除機のトレンド抑えつつ、テクノロジーを使って新しいことにチャレンジしているのですが、掃除機としての集塵・吸引・排出構造は見慣れたものです。ルンバにはない水拭き機能が備わっていて、1台2役なのは利点ですけど、こちらも最近のアジアメーカーのロボットには定番となっています。

この辺の構造を見ると、ややソフトウェア優先でプロダクト化が進んでいる印象も受けますね。せっかくカメラを2つも積んだのだから、肝心なところで「その他大勢」と一緒に見えてしまうのは、ちょっともったいないですね。お掃除オタクとしては、掃除機能に革命的な一捻りがあると、よりLOVE度が高まるんですけどねぇ…。

ギークな人々が面白みを感じるロボット掃除機

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「RoboRock S6 MaxV」最大のウリのAIによる認識・回避は完璧ではなく、やや残念な結果でしたが、現状がこうなだけで、AIによる認識機能は、サンプルが多く集まっていけば今後さらに進化して正確になっていく可能性もあります

今後さまざまなロボット掃除機がおそらく同じようなAIによる物体認識・対処のアプローチを展開してくることが予想される中で、一足早く市販モデルを投入した「RoboRock S6 MaxV」の挑戦は、個人的には嫌いではありません。

必要なセンサー類は一通り揃っていますし、先日はロボットのボイス変更機能も追加されました。ひょっとしたらiPhoneのように、ソフトウェアアップデートでどんどん新機能が増えたりして、何年も何年も戦えるベースモデルになるのでは?という期待感がありますね。

うん、アプデが気になりはじめるあたり、やっぱり僕ら(ギーク界隈)向けですね。お遊び要素も好きなガジェットクラスタ、テック界隈のギークな人々にはウケる掃除機なのは確かですよ。

ざっくりまとめると…

・アプリ対応、マッピング対応、水拭き対応のフラッグシップロボット掃除機が8万円台

・AIによる物体認識・回避は発展途上

・フェイクうんこは見抜いた。けど、踏んだ

・掃除能力は高め。ゴミはよく取ってくれました


Photo: 小暮ひさのり

Source: RoboRock

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