自分の会社、好きですか?
100万ドル(約1億円)でランサムウェアを君の会社のネットワークにインストールしてくれないか? なんて誘いが来たら、あなたらなどうしますか? Teslaに勤めるある社員は、100万ドル(約1億円)という大金に目が眩むことなくこれを拒否しました。
米司法省が、ネバダ州のある工場のネットワークにマルウェアの脅威が迫ったと発表していましたが、この工場というのがTeslaのものであったことが、イーロン・マスク氏のツイートで明らかになりました。マスク氏は「大いに感謝します。非常に深刻な攻撃だった」とコメント。
Much appreciated. This was a serious attack.
— Elon Musk (@elonmusk) August 27, 2020
リチウムイオン電池と電気モーターを生産するTeslaのネバダ工場。この工場のネットワークにマルウェアをしかけ、抜き取ったデータを人質に会社に身代金を要求しようとしたのが、ロシア国籍の男、Egor Igorevich Kriuchkov(27歳)。男はすでにFBIに身元を拘束されています。
工場内部のネットワークにどうやってマルウェアを仕掛けるか。男が白羽の矢をたてたのは、あるTesla社員(名前非公開)。男は、このTesla社員と2016年に出会い、今年7月にメッセアプリWhatsAppを介して再び連絡を取り合うように。男から「マルウェアを仕込んでくれたら、現金かビットコインで100万ドル払う」と持ちかけられた社員は、これを会社に相談。会社の上役がFBIに相談し、男は先月22日に御用と相なりました。
WIREDの取材では、ネットワークセキュリティ専門家がこう解説。
「ハッカーたちは、従来の方法でネットワークにアクセスできなければ、単純にアクセスする方法を金で買おうとするだけです。今回のTeslaは運が良かった。場合によっては、まったく異なる結果になっていたかもしれないわけですから」
そう、Teslaはラッキーだったんです。100万ドルという大金に踊らされることなく、真面目で会社を愛し気にかけてくれる社員がいてくれて。ネットの中のみのやりとりのみで完了させるなんて今はむかし。年々、大胆、太々しくなるハッカーたちは、必要とあれば国境を超えて目的地にやってきます。適した人物を探しにリアルで探し、仲良くなるために。
経営陣のみなさま。みなさまの会社は、そこで働く方々に愛されていますか…?