ソニー最強のノイキャンヘッドホンがAIで進化! WH-1000XM4は便利&高音質、もはやプライスレス

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ソニー最強のノイキャンヘッドホンがAIで進化! WH-1000XM4は便利&高音質、もはやプライスレス
Photo: 西谷茂リチャード

業界でも最強クラスと名高いソニー製ノイキャンヘッドホンWH-1000XM3。その後継機としてWH-1000XM4が発表されました。M3でよかったところは(ほとんど)そのままに、M4ではノイキャン、音質、便利機能、デザイン性などががさらに向上しています。

数十分ほど試用する機会があったので、その時の体験を交えながらM4の進化ポイントをご紹介!

ソニー製チップ&アルゴリズムの新ノイキャン

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WH-1000XM3を使ったことがある方はわかると思うんですが、ノイズキャンセリング(騒音打ち消し技術)ってすごいんですよ。まるでオン・オフできる防音室みたいな感じで、オンにするとあらゆる騒音がスーッと消えていくような感覚。逆にオフにした瞬間「自分いままでこんなノイジーな環境にいたのか…」と驚愕します。

WH-1000XM4では、そのノイキャン性能がさらにアップしました。特に高音域のノイキャンが強化されていて、家にいて打ち消したい音のツートップである人の声や生活音などがさらに聞こえにくくなっているんです。いまのご時世とてもありがたい!

試用した感覚からいうと(ソニー広報の方がスピーカーで騒音を流してくれた)、相変わらず飛行機の機内で聞こえるようなゴーっとした低音まじりの騒音に対するノイキャン性能はエグかったです。もはや曲を再生していなくてもほとんど聞こえてきません(自分の腹の音にびっくりするレベルの静けさ)。

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いっぽう人の声や生活音などのワチャガチャした高音まじりの騒音は、強化されているとはいえさすがに曲なしだと聞こえてきました。といっても1/4くらいに抑えてくれている感じなので、いざ曲を流し始めると自分の脳内補正も相まってほとんど通ってきません。ソニー広報さんが流す騒音が繁華街レベルだったのも考慮すると、一般家庭レベルの騒音だったら相当静かなはず。

で、この新ノイキャンを可能にしているのが、ソニー独自のQN1チップとその上で走る新しいアルゴリズムです。さらなるノイキャン精度を実現するために、毎秒700回も調整しているとのこと。QN1はWH-1000XM3にも搭載されていましたが、M4に来てフルポテンシャルが解放できた形ですね。

ソニーミュージック×AIで音質アップ

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ヘッドホンのチューニングが更新されて、音質がアップしました。試しにハイレゾ対応コーデックのLDACで曲を流してみたんですが、それはまぁ気持ちの良い音でして! 艶やかで音域のバランスがよく、音場も広い感じ。藍井エイル・LiSAとかの曲を流したら心が洗われちゃいますね。あとはLDACの接続が安定してくれるかどうかですが、少なくとも試用中は一切問題なし。レビューでは電車などで途切れないかどうか試してみたいところ。

でも、たとえLDACが使いづらい状況があったとしても音質を手放す必要はありません。接続性を優先するモードでAACコーデックを使用している際は、新世代のアップスケーリング(高音質を"再現"する技術)を使えばいいんです。M3で使えたDSEE HXから進化したDSEE Extreme。これは、ソニーミュージックのハイレゾ音楽ライブラリとプロのフィードバックを、AIでアップスケーリングアルゴリズムに落とし込んだシロモノです。特に高音域の再現度が高まっています。

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これかなりの威力があって、LDAC使用時からDSEE ExtremeオンのAACに切り替える時は音質にほとんど差異が感じられませんが、DSEE ExtremeをオフにしたAACに切り替える時は明らかに音質が欠け落ちます。逆に言うと、HSEE ExtremeをオンにしていればAACでもLDACに近い音が楽しめるわけです。心強い。

しかもM3ではできなかったLDAC×イコライザ、DSEE×イコライザが解放されていて、いい音をさらに自分好みにできちゃいます。嬉しい進化ポイントです。

でも接続周りで言うと、M3から欠けたモノもあります……。それはaptX系のコーデック

遅延の少なさが魅力のコーデックだったので、Android(Snapdragon SoC)ユーザーの僕としてはちょっと寂しく感じます。とはいえゲームでもしない限り気にならないはずですし、遅延が気になるゲームは有線イヤホン・ヘッドホンでプレイしたいところ(WH-1000XM4は有線接続も対応)。

ここにもAI、煩わしさのない便利機能

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イヤーパッドの奥に覗いているのが近接センサー。

WH-1000XM4ではあらゆる便利機能が増えています。まず装着センサーが搭載されたことで、頭から外すとコンテンツが一時停止したり、タッチセンサーが誤動作防止のためにストップするようになりました(自動電源オフにも対応)。そしてマイク性能がAIによって向上し、よりクリアに声を録れるようになったそうです(要チェック)。さらに、ノイキャンレベルや外音取り込みモードなどを自分の行動に合わせて切り替えてくれる「アダプティブサウンドコントロール」が、スマホアプリとの連携で位置情報での条件付けに対応。家や職場など、ロケーションに合わせた自動切り替えが可能になっています。

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でも一番便利そうな機能は、ダントツで「スピークトゥチャット」ですね。これを設定でオンにしていると、自分が声を発したときノイキャンがオフになり、外音取り込みがオンになるんです。しかもこれが一瞬(1.5秒ほど)で切り替わるんですよ…。 そう! 自分が話し始めるだけで、ヘッドホンが会話可能な状態に切り替わってくれるんです!! いい!!!

しかも発声から何秒経つと設定を自動的に戻すかカスタムできちゃうので、マジでハンズフリーです(デフォルト15秒)。

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もちろんUSB-C!

あと、2台同時接続の機能がしっかり音楽+通話に両対応したので、デバイス間の行き来が超絶楽になりました。音を聞きたい方のデバイスでコンテンツを再生・通話を開始すれば、そっちの音をヘッドホンで出してくれる感じで、毎度Bluetooth設定をイジる必要ない超ストレスフリー仕様です。しかもAndroid・iOS・Windows・macOSのいずれの組み合わせでもOKときて、最アンド高。

ちなみにAndroidでいうとFast Pairにも対応し、NFCのないデバイスでもペアリングが楽になりました(Android 6.0以上、ネット接続、Googleアカウントログインは必須)。

もう一段階プライベートな時間

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付属のキャリングケース。

数々のスペックアップを果たしているWH-1000XM4ですが、大きさ・重さはほとんどM3から変わっていません。イヤーパッドはより快適になり(面積10%増とのこと)、見た目も隙間減と全身マット加工で統一感アップ。連続30時間再生可能で(ノイキャンオン時。オフ時は38時間)、10分の充電で5時間再生できる急速充電も可能となっています。

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充電器は非同梱のようです。

ノイキャン強化、音質アップ、便利機能増などなどと、かなり魅力的なヘッドホンとなったWH-1000XM4。お値段は4万円(税抜き)で9月4日発売です。

家にいる時間が増えたいま、音の1人時間はプライスレス。お財布 vs. 耳の戦いが始まりました。

Photos: 西谷茂リチャード
Source: ソニー

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