テレポーテーションって実際のところ可能なの?

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  • author Daniel Kolitz - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
テレポーテーションって実際のところ可能なの?
Image: Benjamin Currie (Gizmodo)

本当、テレポーテーションできたらどんなに楽かって思います。

新幹線も飛行機ももう移動が面倒臭い! 誰かテレポーテーション(瞬間移動)早く!って思ったことがあるのは私だけではないはず。科学者のみなさん、瞬間移動の研究ってしてらっしゃるんでしょうか? FBIとかがこっそりやってくれてる? なんで瞬間移動のニュースとか出てこないんでしょうか。なぜ瞬間移動の技術がまだ存在していないのか、それには理由があるのか? 専門の人たちに聞いてみましょう。

Steven Olmschenk

デニソン大学天文学・物理学准教授

瞬間移動の方法として量子テレポーテーションが提唱されています。この方法はよくSF映画で見るようなタイプとは随分違うものです。量子テレポーテションは量子力学系にある情報を量子物理を利用して瞬間移動する方法。これは実際に粒子レベルで実験が行なわれ、成功しています。これにより量子テレポーテーションが情報伝達に大変重要なことがわかりました。量子テレポーテーションを使うと大きな物体(もしかしたら人間のような大きさまで)の情報も別の場所へ瞬間移動させることができるかもしれません。でもこれには警告も伴います。


まず、人を表す情報の量は驚異的です。一般的な人間の原子の数は「10の27乗」以上あります。次に量子テレポーテーションは原子自体ではなく情報のみを伝達します。ということは受け取る側で原子を準備してその人を構築し直さなくてはいけません。3つ目は量子テレポーテーションは送信側で情報を破棄しなくてはいけないというプロコトルがあります。最後にこの伝達は光の速さ以下に限られています。なので簡単に言うと量子テレポーテーションは人間を瞬間移動させることに使えません。


Warwick Bowen

クイーンズランド大学物理学教授

私が思うに、テレポーテーションは究極に難しいことです。


私は量子テレポーテーションを研究する最初のチームの一員でした。17年ほど前のことです。それ以来、数えきれないほどテレポーテーションのデモンストレーションが行なわれてきましたが、そのうちのほとんどが量子技術、すなわち量子コンピューティングのためにテレポーテーションを使うというものです。


量子技術の進歩がゆっくりである理由は瞬間移動が大変複雑なシステムだからです。瞬間移動の実験は小さな原子で行なわれますが、人間は「10の27乗」ほどの原子でできています。この原子すべてに自由度があるためものすごい技術的チャレンジが必要になるのです。人間の原子すべてをひとつずつ量子テレポーテーションすることは無理だと思います。


でも実際に量子テレポーテーションする必要があるのでしょうか。3Dプリントの技術を使ってクローンを作ることはできるので、テレポーテーションみたいなものじゃないですか?


私が気になるのは、量子テレポーテーションを使って瞬間移動させるのに厄介な体の部分てどこなんでしょう。この質問に答えられる人はまだいないと思いますが、脳が難しいでしょうね。量子力学が意識や人格まで理解することができるのか、などの疑問が生まれます。物体の移動とは違いますからね。


自分でも考えてみてください。脳を瞬間移動させるには何が必要か。脳内には数え切れないほどの神経細胞があります。これってかなり難しいことだと思いませんか? 私には大変難しく感じられます。とにかく人間を瞬間移動させるというのは、信じられないくらいものすごく高い山を登るようなものです。


Patricia Rankin

コロラド大学物理学教授

旅行に瞬間移動が使えたらいいのにと思いますが、今のところ答えはNOです。


まず何なら可能なのかから始めてみましょう。量子もつれの関係にある2つの原子から始めましょう。それを分けて、一つの原子の状態を観測、するともう一方の状態もわかるのです。これを人間でやってみるとなると人間の原子は10の27乗もありますから、その人間の中にあるすべての原子を複製しようとしてもできないのです。なぜなら、その体のどの場所にそれぞれの原子をおくべきかがわからなくてはいけないからです


ほとんどの人が考える瞬間移動は情報の伝達よりも、人体を消して他の場所でもう一度構築することを思い浮かべますよね。でも例えば一つの赤血球をぴったり同じ場所へ置いて再構築するというのは不確定性原理といって不可能なことなのです。


Jacqui Romero

クイーンズランド大学物理学教授

量子テレポーテーションは他の場所にある粒子に情報を伝達するのであって、「量子状態」または情報を持った粒子自体は動かないのです。量子テレポーテーションの工程では、元々の粒子は壊されます。しかし新しい粒子は元々の粒子とは見分けがつきません。なので元々の量子状態を他の場所で再構築したと言えるのです。これはスタートレックのカーク船長のテレポーテーションかと言うと正確には違うと思います。カーク船長は何度も壊されて別の場所で再構築されているということになりますからね


じゃあスタートレックのようなテレポーテーションは可能なのか? それを阻止する法律はないということは確かです。

テレポーテーションさせて ほしい?

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