2070年までに地球の20%がサハラ砂漠のような気温になってそこに人類の3分の1が住むことに

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  • author Brian Kahn - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
2070年までに地球の20%がサハラ砂漠のような気温になってそこに人類の3分の1が住むことに
Image: Getty

人類の3分の1がサハラ砂漠に住む未来がくるなんて、ディザスター映画でもなかなかお目にかかれませんよね。気候変動にハリウッドエンディングはないのか…。

イーロン・マスクのような天才は、「火星に移住したい」と思っているかもしれませんが、私のような単純な人間にとっては、地球のほとんどの地域を生存可能な状態にしておいた方が、時間と資源をより有効活用できるような気がするんですよね。

でも、もしも炭素の排出が規制されなければ、そんな状態を保つのは夢のまた夢なのかもしれません。新しい研究結果によると、炭素の排出が抑制されない場合、いまはまだサハラ砂漠の一部でしか起こっていないような極端な暑さが、地球のほぼ20%(人類の3分の1近くが居住)まで広がる可能性があるとのこと。Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)誌に掲載されたこの論文は、二酸化炭素の排出量削減をさせるための説得力に満ちあふれています。

人間の生存を制限する最大の要因は暑さ

研究者たちは、6,000年前までの歴史的データを使って、人々を移住させるような気候条件を明らかにしました。それによると、あらゆるレベルの降雨に耐え、あらゆる種類の土壌に適応してきた人間の生存を制限する最大の要因は、暑さなのだそうですよ。って、温暖化しちゃだめってことじゃん…。

研究結果によると、人々は年平均気温が摂氏11度から15度の狭い温度帯で暮らしています。私たちの主食となる作物がもっともよく育ち、家畜の生産性も高いこの地帯を著者らは「人間の気候ニッチ(人間に適した気候を持つ場所)」と定義しています。

残念ながら、気候変動をなすがままにしておくと、えらいことになります。すでに熱波によって人々は亡くなっていますし、屋外の耐えられない暑さで生産性が何十億時間も失われるなど、世界中の人々が猛暑によって苦しめられています。それでも、人類はアリゾナ州フェニックスからニューデリー、ドバイに至るまで、めちゃくちゃ暑い場所でもなんとかしてきました。でも、いつか気候変動が私たちを打ちのめす日がくるかもしれません。というか来まくっちゃいますよね、このままだと。

この研究は、炭素排出量が極端に増加するシナリオであるRCP8.5(放ったらかすシナリオ)を使って、今世紀末の「人間の気候ニッチ」がどんなことになっちゃうのかをモデル化しました。その結果、今でも小さな気候ニッチがさらにかなり縮小することを示してしまったそうですよ。想像通りすぎてもう心に波風すら立たない…。

サハラのような気候が陸地の20%を占めてそこに30億人が暮らすことに

サハラ砂漠は、年間平均気温が摂氏29度を超え、「人間の気候ニッチ」が終わりを告げる場所なんだそうです。でもサハラほど暑い地域は世界の陸地のたった0.8%しかありません。ちょっと安心…したのもつかの間、2070年までにはこれくらいの暑さになる場所が陸地の20%近くまで広がってしまうみたいですよ。そして、この地域に暮らしている30億人もの人々が、移住しなければ人間が過去に1年も生き延びられなかったような環境で生活することになってしまいます。こんなの炭素排出量ゼロのウェアラブルなエアコンを人権にする対策くらいしか思いつかない…。

さらに、これから50年間の気温の急上昇は、少なくとも人類文明が最も栄えた過去6,000年間に経験したこともないような劇的なものになると思われます。もうハッキリ言って耐えられる気がしません。

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Image: Xu, et al., 2020

地図で確認すると、えもいわれぬショックを受けますね。一番下の地図の、赤い部分が生存が厳しくなる地域です。ブラジルなんて基本的にほぼ全域が生存不可能になりますし、中東とインドの大部分も同じような結果です。貧困層の多い地域がもっとも深刻な打撃を受けることになりそうですが、それは開発途上国に限定されるわけではなくて、アメリカ南部やオーストラリアの一部、ヨーロッパの地中海地域でも、適温とは呼べない暑さになることが予想されます。北米とヨーロッパは気温上昇に適応するために居住性を向上させるでしょうけど、手がつけられなくなってきた自然との追いかけっこに勝てるのでしょうか。去年科学者たちが「みんな今世紀末までにシベリアに移住したくなるはず」とか言い出したときにはジョークかと思いましたが、マジだったみたいですね。

温室効果ガスの排出を抑制しない限り、人々が住めなくなるくらい気温が著しく上昇するホットゾーンからの大移動がほぼ間違いなく起こりそうなのが最大の懸念です。2070年にそういうことが一斉に起こるわけではないにしても、「人間の気候ニッチ」の限界を超えた一部の地域ではじまる移住が、大きな波を引き起こす可能性があります。この研究結果は、何よりも私たちが今すぐに排出量を削減し始めなければならないことを示しています。そして、排出量削減と同じくらい重要なのは、誰も切り捨てることなく、すべての人々が気候変動に起因する移住を果たせるような社会環境を整えることなんじゃないでしょうか。

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