今でも色褪せない、斬新なデザイン!
『スター・ウォーズ』のファンなら誰もが、9万6,000円もするレゴの、7,500以上のピースで組み立てる「75192 ミレニアム・ファルコン」セットが、プラスチック製ブロックの模型で最高峰であることに異存はないと思います。
米Gizmodoのリシェフスキー記者は、先週まではそのつもりだったのですが…レゴから出た1989年のティム・バートン版レゴ「バットモービル」を週末に組みてててから、こっちこそレゴの最高峰である、と新たな確信を持ったそうです。
全長約58.5cm!
バートン・バットモービルこと「1989 Batmobile」は、3,306ピース。「75192 ミレニアム・ファルコン」の半分以下のピース数であり、最近登場した「UCS インペリアル・スター・デストロイヤー」よりも約1,500ピース少ないことになります。しかし、約58.5cmの長さで重厚感があり、手に取るたびに幼児を持ち上げるのと同じくらい注意を払うことになります。
ミレニアル・ファルコンのような大型の『スター・ウォーズ』モデルには、巨大な宇宙船のような印象を与えるため、広範囲に渡る凸凹の表面でディテールを表現しています。ですがこのバットモービルには、それが不足している印象を与えられるかもしれません。しかし、映画史上、最も知名度の高い乗り物のひとつである、象徴的な曲線をプラスチックのブロックで再現することは、モデルを作る上での大きな挑戦だったと言えるでしょう。そしてレゴのデザイナーたちは、この新しいセットで完璧な成功を収めたと思うのです。






ディティールが凝りまくり
私がレゴのセットを組みててて飾るなんて、滅多にありません。いつもは一度組み立てたら数週間はそのままにしてから、バラして大きなプラスチックの箱に、迷子のピースたちと一緒に仕舞ってしまうのです。でもこのバットモービルには、そんな気持ちが沸き起こることはないと思うんです。
私はこのモデルの見た目に感心しただけでなく、追加機能にも感心させられました。コックピットの蓋はカスタムのフロントガラスで作られており、あたかも映画に出た本物のバットモービルよろしく、レールのメカニズムの上を前方にスライドし、閉じるときに微妙に持ち上がり、そこから閉まるときにまた下がるようになっています。
内部にはディティールの凝りまくったコックピットもあり、たくさんのレバー、フットペダル、それにゲージとボタンの描かれたステッカーが貼られたダッシュボードがあります。それにハンドルは、前輪を回すのにも使えるのです。とはいえ、そこは狭い空間となっており、ギュッとコックピットに手を突っ込んでハンドルに届くのはちょっと難しいです。レゴの設計者たちはまた、飛び出す機関銃を装備させており、これは車の後部にあるタービンを回転させることによって出し入れをします。
主要キャラのミニフィグが3体付いてくる
このセットをこんなに楽しいものにしているのは、内蔵されたギミックだけではありません。中には3体の新しいミニフィグも含まれています。



マイケル・キートンのバットマンは、マスクとマントが一体型になった新しい造形で、映画同様に首を回すことができません。細かいこだわりですよね。そしてキム・ベイシンガーのヴィッキー・ヴェールはカメラを持ち、さらには彼らにとってヴィランとなる、ジャック・ニコルソンのジョーカーもいます。
彼らはバットモービルの横に並べても素晴らしいのですが…バットモービルはミニフィグよりかなり大きく作られています。なのでもしコックピットに乗せようとすると、仮装した子供たちがバットモービルを乗っ取ったみたいになってしまいます。でもそんなことでは、このモデルの魅力はまったく損なわれません。
週末だけで完成できるボリューム
以前にもレゴの巨大セットをいくつか組み立てたことがありますが、1989年バットモービルで一番楽しかったのは、組み立てが過酷なマラソンのように感じられなかったことです。このセットには、組み立て部品が24個の個別包装にまとめられており、付属の取説は435ページもあります。しかし週末に完成させることができたのです。
これとは対照的に、米Gizmodoのルシアー記者は、UCSのミレニアム・ファルコンを組み立てるのに1週間、全部で34時間かかりましたし、日本のギズ編集部は7日間で、28.5時間を要しました。これはいくらレゴが好きな人にとっても、かなりの時間を割いてしまいます。


始めは何を作っているのかわからない
組み立ての初期は、レゴ テクニックの部品を使ってバットモービルの基盤インフラを組み立てるところもあるので、クルマのどこのパーツを作っているのか確信が持てず少しつまらなく感じます。これによりモデルの見た目と感触を信じられないほど頑丈に見せてくれるのですが、それはたとえばレゴのブガッティ・シロンのような大型車のモデルには当てはまる作り方ではありません。
ですが組み立てが外装へと進むにつれ、ゆっくりではあるが着実に一体となったバットモービルの姿が、信じられないほどの満足感を与えてくれます。これまで何百セットものレゴを組み立ててきましたが、このバットモービルにはこれまで遭遇しなかった賢い組み立て方が、いくつか採用されていました。それは私を驚かせ続け、私がプロのレゴ・デザイナーではない理由を思い出させるものでした。ですが私以外の誰かどこかにいて、そんな良い仕事をしていることに、とても嬉しく思うのです。
自分へのご褒美にぜひ
「1989 Batmobile」は、アメリカで11月29日から約250ドル(約2万7,300円)で発売される予定です。安くはありませんが、クリスマスに自分用のプレゼントにするのであれば、許される金額かもしれませんね。