早くオプトアウトさせて〜。
先日、「Siriの録音がApple(アップル)の契約会社の従業員によって解析されている」という報道がありましたが、それに対してAppleの広報担当者が「契約業者による録音のチェックを停止した」とThe Vergeに語ったとのこと。
The Vergeに掲載されているApple広報担当者のコメントは以下。
「私たちはユーザーのプライバシーを保護しつつ、すばらしいSiri体験をお届けするよう取り組んでいます」
「私たちは徹底的な調査を行う一方で、グレーディング(注:Siriの録音をチェックすること)をグローバルで停止しています。加えて、将来的なソフトウェアアップデートの一環として、ユーザーはグレーディングに参加するかどうかを選べるようになります」
将来的にはオプトアウト(第三者への個人データの提供を本人の希望に基づいて停止すること)できるようになるみたいですね。
大きな矛盾
問題になっているのはざっくり以下2つ。
(1) センシティブな内容の録音も契約業者は確認でき、場合によっては個人の特定も可能らしい
(2) ユーザーにはグレーディングを回避する方法がない
AmazonにせよGoogleにせよAppleにせよ、音声アシスタントの性能向上のためにはグレーディングのような解析作業が必要というのはわかりますが、プライバシー押しのAppleの場合、言ってきたこととものの見事に矛盾しているのが苦しい。
Appleは、プライバシーは基本的人権であると信じています。
あなたのApple製デバイスには、数多くのあなたの個人情報、つまり非公開のままにする権利があなたにある情報が入っています。
例えば、ランニングのあとの心拍数。一番先に目を通すニュース。最後にコーヒーを買った場所。訪れたウェブサイト。電話やEメール、メッセージの相手など。
すべてのApple製品は最初から、そのような個人情報を保護できるように設計されています。そして、何を誰と共有するかを決める選択権はあなたにお渡しします。
個人的にはこういったことをAmazonやGoogleによりも強く、前面に押し出したAppleに痺れたのですが。値千金ながらプライバシーでもあるユーザーデータをメーカーがどう扱うのかは、プロダクトの性能や利益に直結するところである一方で、プロダクトをいかに気持ちよく使えるか(=ユーザーエクスペリエンス)にも直結する、ハンドリングが難しいところだと思うからです。そこに自ら切り込んでいくのはチャレンジングだなぁ、と。
なので、大きな矛盾があったのは残念。人に好き勝手に個人情報を見られるのってぼくはどうしても好きになれません。いろんな意味でシンプルに気持ちよく使えるのがApple製品の良さだと思うので、プライバシー面でもそれを(言葉通りに)実現して欲しいところです。
Source: The Verge, Apple via Macお宝鑑定団Blog[羅針盤]