600人が予約済み。宇宙旅行事業のほうがUberより儲かる(と言われる)理由

  • author Jennings Brown - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
600人が予約済み。宇宙旅行事業のほうがUberより儲かる(と言われる)理由
Image: Sergei Bachlakov/Shutterstock.com

ケタ外れのお金持ちって、意外といっぱいいる。

Virgin Galacticは、とにかく宇宙に行ってみたい、ただそれだけって人の夢を叶えるべく、観光としての宇宙旅行サービスの提供を目指しています。このまま順調なら世界で初めて宇宙旅行サービスを開始できそうなところまで準備ができていて、それだけでもすごいんですが、単にサービスが立ち上がるだけじゃありません。ビジネスとしても目標は高く、今からたった2年後、2021年8月の黒字化を見込んでいるそうです。

それに対し、というのもあれなんですが、地球の上で人間を運ぶという意味では共通しているUberは、まだ大赤字です。Uberのほうがわかりやすい需要があって、実際に今ユーザーは9100万人、毎日1400万回利用されている、らしいのんですが…。

Wall Street Journalによれば、Virgin GalacticはSocial Capital Hedosophia Holdings(SCH)とパートナーシップを組み、株式の49%と引換に約8億ドル(約880億円)の資金提供を受け入れることになりました。その後は年内にも株式公開を目指すそうで、上場すればVirgin Galacticは民間宇宙旅行会社としては初めての上場企業になります。

「我々は新たな宇宙の時代の夜明けにいて、これから地上の生活をより良く、より安定させられる大きな可能性があります」とVirgin Galacticの創業者兼会長のリチャード・ブランソン氏は発表文書の中で言っています。「Virgin Galacticがここまで進んできた今、新たな区切りを付けることで、我々は宇宙をより多くの投資家に対し開くことができ、引いては数千の新たな宇宙飛行士に対しても宇宙を開くことになるのです。」

ここまでの進化には、代償も払わされてきました。特に2014年10月、Virgin Galacticのロケット・SpaceShip Twoのテスト飛行が失敗し、搭乗していたパイロットが亡くなったのは、痛ましい事故でした。それ以降死亡事故はありませんが、やっぱり民間宇宙飛行というのは今でも危険な賭けなんだと感じてしまいます。

それでも2018年12月、Virgin Galacticのロケットは初めて高度80kmまで飛び、大気圏と宇宙空間の境界とされる領域に到達しました。今年に入ってからは、パイロット2人とともにテスト搭乗客を宇宙へと飛び立たせることにも成功しました。

「我々は宇宙船を2機打ち上げ、米国発では2009年以来となる新たな宇宙飛行士を5人生み出しました。それ以降、我々の宇宙旅行に申し込みを希望した人の数は2500人に上ります」ブランソン氏はCNBCに語っています。「この市場は巨大です。」

600人のお金持ちがすでにお金を払っている

Virgin GalacticのパートナーとなったSCHのトップ、Chamath Palihapitiya氏はCNBCに対し、彼らはすでに600人の顧客から正式に受注済みであることを明かしています。その顧客たちは90分間の宇宙旅行のために25万ドル(約2700万円)支払う用意があり、その半額はもう前払いしてあるので、総額約8000万ドル(約88億円)がVirgin Galacticに入っているそうです。顧客を乗せての初めてのフライトは、1年以内に打ち上がる予定です。

もう600人も集まっちゃってるなんて、宇宙に行きたいお金持ちって、たくさんいるんですね〜。Virgin Galacticはイーロン・マスク氏のSpaceXやジェフ・ベゾス氏のBlue Originとは民間宇宙レースというくくりでは競合していますが、とにかく宇宙に行ってみたい人の夢を早く叶えるという目標に関しては、一歩リードしているようです。

それにしてもたった90分、しかもそのうち宇宙空間に出ている時間はさらにほんのちょっとしかない宇宙旅行に対して、家1軒買えそうな金額をポンと払えちゃう人がそんなにいるのは、なんというか複雑な気持ちもちょっとあります。でも民間人も宇宙に行けるようになるってだいぶ前から言われてたので、お金のある人にとっては「じゃあ乗ってみるか」くらいな感じなんでしょうね。そんなケタ違いの金銭感覚を持つ人たちを引きつけたことが、ほんの2年とかで黒字にする秘訣なのかもしれません。ただ一応ブランソン氏はCNBCに対し、「これから10年後、価格は劇的に下がるでしょう」と言ってます。

それに対しUberは、先日株式公開後初めての決算を発表しましたが、四半期で10億ドル(約1100億円)の損失を出していました。彼らは去年もその前の年も似たようなペースで赤字を垂れ流していて、唯一利益を出す方法は、人間のドライバーをやめて自動運転車にすることくらいだと言われています 。そしてUberのドライバーが自動運転システムに置き換わることは、2021年までには起こりそうにありません。

一方Virgin Galacticは、上場に向けた希望的観測かもしれませんが、2021年には利益を出すつもりでいます。2年後に笑うのは、宇宙旅行か、ロボット自動車か。引き続き見守っていきたいと思います。

Source: Wall Street JournalCNBCWIRED

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