沈むApple、起死回生の可能性はあるの?

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  • author Adam Clark Estes - Gizmodo US
  • [原文]
  • 湯木進悟
沈むApple、起死回生の可能性はあるの?
Photo: Getty

ボクらは信じてます!

年明け早々に、まさかのApple(アップル)が、2002年以来となる売上高予想の大幅な下方修正。iPhoneが以前ほど売れなくなり、とりわけ中国市場での不振が大きいと説明されましたが、その後の株式市場を襲ったApple株価の急落による混乱は、いきなり2019年に影を落とす展開ともなってしまいましたよね。いまなによりボクらが気にしているのは、これはほんの一過性のもので、またすぐAppleは不死鳥のように奇跡の大復活を遂げてくれるよね? えっ、それとも、実は今回は、かなりヤバいの…?

2002年にはジョブズがいた、その後iPhoneが出た

まずは、前回のAppleショックの事情をおさらいしておきましょう。2002年といえば、ドットコムバブルがはじけた後、依然として世界が、その少なからぬ影響に苦しんでいた時代です。そして、その年の6月、当時のCEOだったスティーブ・ジョブズ氏は、四半期の売上高が、予想を2億ドル下回ることになるとの発表を行ないました。

業界の他社と同じく、われわれも今四半期は売上の低迷に苦しんでいる。結果として、われわれは当初の売上高の予想に、10%ほど届かない見込みだ。しかしながら、われわれは驚くべき新製品開発中であり、興奮を誘う年がやってくると信じている。われわれは、現在もPC事業で利益を生み出している数少ない企業であり、今後の長期的な見通しは明るいと考えている。

大きなショックを与えた売上高予想の下方修正発表にあたり、ジョブズ氏は、こんなふうに語ったとされています。興味深いことに、この発表の席で、ジョブズ氏は、これ以外には多くを語らず、要は「数字は悪く見えるが、新製品でブッ飛ばすので安心してくれ」と、人々を説得してみせたのでした。

一方、今回の下方修正の席で、現CEOのティム・クック氏が出した説明は、当時のジョブズ氏の7倍ほど長い文章がつづられていたのに、ジョブズ氏ほど人々を安心させてくれる、新製品の見通しなどは一切触れられませんでしたね。あえて触れられたとすれば、今後はどうやってiPhoneの機種変更を行ないやすくするかに気を配られているくらい?

つまり、2002年のAppleショックについては、その後にiPhoneが登場したことでマイナス面が完全に払しょくされたことを、ボクらはよく知っています。当時を振り返るならば、2001年10月に初代iPodが発売され、2002年1月にキュートなデザインの「iMac G4」がMacworld Expoに登場。そんななかで、売上高予想の下方修正により、一気にAppleの株価は、2002年末までに14.33ドルまで落ち込んで、年初より40%近く下げてしまったのでした。しかしながら、いまとなっては、ここでAppleの株でも買っておけば、2003年の第3世代のiPodの発売とiTunes Music Storeの立ち上げによって、Appleは快進撃を続け、そのままジョブズ氏自らがiPhoneを発表する流れへとつながっていきます。これによって、アプリビジネスが立ち上がり、いまやAppleは、四半期ベースでアプリの売上だけで182億ドルを叩き出す新事業を生み出してしまったのでした!

またイノベーションを見せてよ、Apple

さてさて、一方の今回のAppleショックのおさらいです。当初の四半期売上予想は890億~940億ドルだったのですが、840億ドルにしかならないとの見通しが発表されました。つまり、50億ドル届かないという見通しです。状況は2002年のころと似ていて、世界経済の失速とハードウェア販売の落ち込みが原因です。ただし、2002年が2億ドルの下方修正だったのと比べると、いかに今回の数字が大きいかが見えてくるでしょう~。

また、すでにお気づきのように、当時は本当に「驚くべき新製品を開発中」というジョブズ氏の説明が、はったりでもなんでもなく、その後のV字回復につながる新製品発表ラッシュという喜ばしい結末で実を結びました。iPhoneに続いては、MacBook AirにiPad、そしてApple Watchまで、ずっとAppleはイノベーションで世界を引っ張ってきたといえるでしょう。でも、今回は、クック氏の説明に、そもそも期待を起こさせる言葉を、あまり見出せません

もしやこの先、Appleの未来をパッと明るく照らすような革新的発明品は、登場しないまま終わっていったりもするのでしょうか? 一抹の不安がよぎるのも事実です。いまのAppleが取り組んでいることから期待を寄せようとすると、動画ストリーミングサービスなのか、AIやARの分野なのか、なにも新たな収益源が生み出されないということではないでしょう。でも、あのジョブズ氏がステージ上でボクらを驚かせてくれた、魅惑の新発表がAppleから続いて、再びAppleが急成長の波に乗るという展開って…? これがではなく現実となった未来に期待してみるほかありません。

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