太陽系のダイバーシティーにありがとう。おかげで第二の地球の見分けが付きそう

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • たもり
太陽系のダイバーシティーにありがとう。おかげで第二の地球の見分けが付きそう
Image: Jack Madden, Carl Sagan Institute

系外惑星を見分けるヒントに。

遠い星からの光が周期的に暗くなること頼りに、天文学者らは何千光年も先で軌道を描いて回っている系外惑星を観測しています。そうやって我々は太陽系から遠く離れた系外惑星を見ようとしているわけですが、反対に遠く離れた系外惑星から見て太陽系の惑星はどのように見えるのでしょうか。

系外惑星を見分けるためのヒントは太陽系!

ある科学者のペアが、我々の太陽系にある天体の色や明るさ、そしてスペクトル線についての詳細なカタログを発表しました。彼らはこのカタログを、系外惑星の瞬きを観測した時にその天体がどのような見た目なのかを理解するための、比較対象として使えればと考えています。

研究の共同著者であり、コーネル大学のカール・セーガン研究所の所長である Lisa Kaltenegger氏は「異星の観測者が私たちの太陽系を見たら、目にするのはこれなんです」とGizmodo USに教えてくれました。このデータでもって、系外惑星が地球のようか、火星みたいなのか、それとも木星に似ているのか、あるいはまったく別の何かなのかを天文学者らは推測できるかもしれないのです。

大量のデータが来そう!→19の天体をカタログしておこう

科学者らは数千の系外惑星を発見しましたが、ケプラーのK2ミッションと探索を開始したばかりのTESSミッションによって、その数はさらに数千と増えるでしょう。より多くの系外惑星の発見に伴い、それらの質量と気温、そして時にはその惑星の大気内の成分などの情報を含むスペクトルのデータが増えます。近いうちに、建設中の超大型望遠鏡ELTとジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のようなミッションがこういった惑星の多くのスペクトルを観測してくれるかもしれません。

そういったデータを心待ちに、Kaltenegger氏と共同著者であるJack Madden氏は色、太陽系にある天体のスペクトルそしてその天体がどれだけ星明かりを反射するのかを示すアベルドなどの情報をまとめたこのカタログを制作。彼らは公開済みデータを分析して、8つの惑星、冥王星とケレスの2つの準惑星と9つの衛星を含む、我々の太陽系の計19の天体の“指紋”を作成。研究成果はジャーナルAstrobiologyで発表されました。

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Image: Jack Madden
19の“指紋”のカタログ

「私たちの太陽系についての全知識を活用したほうが賢い」とKaltenegger氏は言います。「巨大ガス惑星に、岩石惑星、そして興味深い衛星たち。基本的には参照できる“指紋”を作ったということです」

系外惑星探査のグランウド・トゥルースとして活用

他の研究者たちもこのようなツールを持てることに興奮しています。

ハーバード大学の天文学者で、この研究には携わっていないLaura Kreidberg氏は、Gizmodo USに「太陽系を系外惑星研究のグラウンド・トゥルース(遠くを調べる際に使う、近くを調べたときのデータ)として使うことは、とてつもなく重要です」と語ってくれました。「系外惑星の幅広いサンプルを好きなように使えるとしても、太陽系と同じほど細かく探査することは決してできない」と言い、今回の論文は「他の恒星の周りの惑星を理解するための足掛かり」と感じたとか。

「とてつもなく情報が豊富で、プロットを読みふけっていますが、興味深い類似点や相違点がますます見えてきます」とカリフォルニア工科大学の天体物理学者のJessie Christiansen氏はGizmodoに語ってくれました。「こういった分析はこれらの惑星を研究する、NASAの将来の主力ミッションに欠かせないものです」とのこと。

今後はカタログのアップデートが課題

Christiansen氏とKreidberg氏のどちらも、不完全なデータによって大きく異なる2つの惑星が同じように見えてしまうかもしれない箇所があると指摘しています。たとえば、表面に液体のある惑星と、カラカラに乾燥した惑星の色は同じように見えます。つまり、次世代のミッションはこのような点を考慮に入れる必要があるということ。「居住可能な惑星を探す際に、熱帯で湿度のあるオアシスと荒涼として乾燥した岩石惑星との差は大きい」とChristiansen氏は語っていました。

Kaltenegger氏はGizmodo USに対し、もっと多くの衛星と天体が含まれるようにカタログをアップデートしたいと教えてくれました。このデータは、この先の望遠鏡を使ったミッションを計画していく、そして系外惑星の特性を明らかにしていくうえで重要になるとのこと。

そして「こういった天体の大気や地表について教えてくれるスペクトルを得たら、何と比較してみたいですか? 簡単なのは他の天体の幅広いセットと比べること」だと彼女は言います。「衛星と惑星、準惑星を観測することで、私たちは1セット持ってるんですから」。

Source: arXiv.org

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