秘密の会話はささやきモードで?
お部屋や外出中に自分の声で操れるAIアシスタントはSiriやAlexa、Google アシスタントなど、今やおなじみ。しかし、公共の場でAIアシスタントとあれこれ話し合うのはちょっと変…というか、恥ずかしいですよね。そんなあなたのために、Apple(アップル)は「Siriがささやき声を理解し、ささやき返す特許」を出願していることが判明しました。
「a digital assistant that is capable of detecting a whispered speech input and providing a whispered speech response」と名付けられたこの特許では、例えば大きな声で話せない図書館、あるいは同僚が近くにいる小部屋など、Siriにささやくのが好ましいシチュエーションがいくつか提示されています。さらにユーザーがささやいていることからそのプライバシーを守る必要があることを理解し、そっとささやき返すことも説明されています。

また特許では、どのようにしてiPhoneやApple Watchのようなデバイスがささやきと通常の声を区別するのかについても説明されています。その違いについては、ユーザーの声の大きさや周波数から区別するようですね。さらに特許では、SiriのようなAIアシスタントがユーザーの声のトーンにあわせて、自らのトーンを調整しささやき返すと説明されています。つまり、単に音量を絞るのではないのです。もしあなたが「トイレはどこ?」とささやいた時に、「近くに2つのトイレを見つけたよ!」と大声で返す…なんて事態が防げるかもしれません。
なお米Gizmodoがカーネギーメロン大学の言語技術研究所のAlex Rudnicky教授にこの特許の現実性を聞いたところ、「特許の技術は難しいものではないし、すぐにでも実現可能だろう。このような技術は、テキストの読み上げ処理の一種だ」としています。ただし、「ささやきモードに切り替えるためのアルゴリズムは複雑なものとなるだろう。でも、なぜこのような方法を誰も思いつかなかったんだろうね。合理的な技術だとは思わないかい?」と、なかなか期待が持てる回答が返ってきました。
もちろん、Appleが特許を出願したからといって、それが実現するかどうかは不明瞭なのはいつもの通り。でもこの機能なら、すぐにでも実装してほしいですね!
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Harrison Weber - Gizmodo US[原文]
(塚本直樹)