仄暗い水の底には、得体の知れない生物がうごめいています。
私も含め、目視で確認できない濁った水の中には何かいるんじゃないか?という恐怖症をお持ちの方は少なからずおられると思います。
巨大魚みたいな生物が揺らめく影だけで恐怖を感じますが、手で持てるサイズの不気味な塊だとて、やっぱりキモいと思うわけです。そう、バンクーバーの湖沼で見つかったこんなブヨブヨみたいに……。
これはスタンリー・パークにある、誰も足を踏み入れない湖沼で見つかった「ブライオゾーアン( Bryozoan)」と呼ばれる塊。動画の女性も悲鳴を上げながら持ち上げ、「間違いなくグロいわ」と正直な感想を漏らしています。
その正体は「Pectinatella magnifica(オオマリコケムシ)」という物体で、極小にして大量の無脊椎動物が寒天質を分泌しながら群れをなしている生物なのです。その歴史は5億年前にさかのぼるのだとか。
ですがこれ、実は水の中の微生物を食し、水をキレイに保つフィルターのような役目を果たしています。エイリアンの卵みたいな見てくれですが、大自然のサイクルで重要な役目を担うブヨブヨなのです。うーん、生命の神秘。