本来は破壊的な台風が、生産的に成り得るでしょうか。
世界初の台風発電機、「垂直軸型マグナス風力発電機」を開発したのは、株式会社チャレナジー代表取締役CEOでエンジニアの清水敦史さん。
CNNの取材で清水さんは、「日本では太陽光よりも風力発電にポテンシャルがあるにも関わらず、それが十分に活かされていない」ことを指摘しています。
チャレナジー社の「垂直軸型マグナス風力発電機」は、通常の風力発電機と大きく異なるポイントが2つあります。それは、垂直軸型によって予測不能な風の動きにも対応できること、そして嵐のなか制御不能にならぬよう回転スピードは調整可能であること。
たしかに見た目も、一般的な風力発電機に見られるようなブレードではないですね。例えるならば卵泡立て器のような形。ちなみに、この特徴的なデザインは耐性強化に繋がるそうです。
さらに、一般的な風力発電の発電効率は40%程度であるのに対して、台風発電機はフィールドテストで、それよりも低い30%であることが確認されたそうです。一瞬「あれ? 」と思ってしまいますが、この違いもまた台風に耐えられるかどうかという大事なポイント。2013年の台風19号では、8機の風力発電機が壊され、ほかの8機は損傷する被害が出ていました。チャレナジー社の公式HPではこのように記載されています。
既存の風力発電機でも、「台風でも壊れない」ものはありますが、私たちが開発する「垂直軸型マグナス風力発電機」のように、「台風でも発電できる」可能性を秘めた技術は他にありません。

今年の夏、「垂直軸型マグナス風力発電機」の試作品が沖縄に設置されました。次の台風に備えている状態です。2011年の福島第一原発事故から数年、電力不足に陥った日本。これは歓迎すべきソリューションではないでしょうか。
編集部追記(10/5 17:00): 本文中に「この発電機を必要な台数並べれば、1度の台風で日本の50年分相当の利用可能エネルギーを生成できる」との記述が在りましたが、誤りでした。お詫びして訂正いたします。
「1度の台風のエネルギーを電気エネルギーに換算すると日本の50年分に相当すると言う試算があったということにとどまり、台風発電により台風からただちに日本の50年分相当の利用可能エネルギーを生成できるものではありません」(株式会社チャレナジー)
image by チャレナジー
source: CNN, Challenergy
George Dvorsky - Gizmodo US [原文]
(Rina Fukazu)